手厚い物流サービスを仕入先に要請していないA店
手厚い物流サービスを仕入先に要請しているB店
どちらの小売業の売上が高いと思いますか?
中小企業庁が発表した「中小商業者における効率的な物流取引の構築に関する調査研究」によると、意外な結果が出たのです。
ある食品関連の卸売事業者で、顧客である小売店の売上と物流サービスの関係を調査したところ、「手厚い物流サービスをうけている店舗の方が売上が悪く、販売効率が悪い」ということだったそうです。
A店は商品アイテムが絞り込まれており、注文行数も平均114行。これに対し、B店は商品アイテムが約2倍で、注文行数が196行。そのうち1個注文が約半分の95行。
一見、物流サービスを手厚くした方が小売業の経営にプラスに働くと思いがちです。しかし、このような結果となったのはなぜでしょうか。
一つに、小売業の発注精度が低いからです。そのため「少しでも早く、1個でも納入してほしい」となると思われます。
小売業にもよりますが、売れ行きに合わせて必要な量を発注するしくみや、発注するための教育がないというのです。
その結果、4割以上の卸売事業者が24時間未満での納品を求められ、また、約半数が週3回以上の配送を行っているようです。
小売業がデータ活用を行い適切な発注システムを構築していれば、このようなことにはならないのですが。
しかし、小売業ばかりに期待しても始まりません。
ある酒販卸売事業者では、物流ABCにより納品にかかるコストを明らかにし、取引条件を決める際にこの情報を活用しています。取引条件を左右するのは、注文の方法(電話、FAX、オンラインなど)、時間指定の有無、駐車場の有無など荷降ろし環境。
今まで漠然としていた物流サービスや物流コストの詳細をつかみ、取引先への提案にうまく活用すべきであると、この調査報告で改めて感じたしだいです。
