大胆さと細心さをあわせもつ

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稲盛塾長の講話より
大胆さと細心さをあわせもつ(京セラ フィロソフィー第2章第3節「正しい判断をする」)

 経営をしていく場合、 物事を判断するときには、あるときには大胆に「よし、これはやろう」と決めなければならないときもありますし、または細心で、小心翼々として、石橋を叩い てでも渡らないという判断もしなければなりません。つまり、大胆さと細心さを併せ持つことが必要なのです。
 しかしながら、最初からこの両極端を併せ持つことは難しいかもしれません。これから仕事を通じて、いろんな場面で常に心がけていれば、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです。

 大胆と細心、温情と非情、合理性と人間性を機に応じて使い分ける
  大胆さと細心さの両極端と言いましたけれども、あるときには大胆に「よし、これだけの大きい投資をやろう」と決める。資本金以上の投資をやろうと決める大 胆さがあるかと思うと、わずかの投資でも逡巡して、考え考えて、やらないという結論を出す。そういう極端な大胆さと細心を持っていると同時に、温情という 温かい心、ウチの社長はものすごく情の深い人で、優しい人だという温情さと冷酷さの両方も持っている。非常に優しくて、素晴らしい温情溢れる人かと思った ら、あるときにはズバッとクビを切られる。そういう冷酷さ、非情さも持っているという。また、ものすごく理論家で、合理主義一点張りのくせに、一方ではも のすごく優しい人間性を持っている。つまり、温情と冷酷、合理性と人間性、大胆さと細心さ、そういう両極端のもの
をひとりの人物が持っているだけではなくて、それが綾織りのようになっている状態です。大胆でなければならないときに大胆さが出てきて、細心でなければならないときに細心さが出てくる。そういう両極端の才能を持ち、それが機能できる能力が要るわけです。

 天才を要求される中小企業経営者
  皆さんもよくご存知だと思いますが、私は今、大胆と細心、温情と冷酷、合理性と人間性と言いました。そういう両極端なことを同一人物が持つと同時に、それ を正常に機能させることがいかに難しいかという例として、たとえば本田技研が成功したのは、本田宗一郎というモノづくりの天才がいた一方で、会社を経営す るという面では、素晴らしい計数と金勘定ができる藤沢という名番頭がいたからです。つまり、本田宗一郎と藤沢という名番頭の二人が一本だったから、本田技 研は今日の成功をおさめたとよく言われます。
 松下電器は、松下幸之助と高橋荒太郎という素晴らしい番頭がいて、素晴らしい発展を遂げたと言われ ています。ソニーには井深という素晴らしい技術屋と、素晴らしい営業ができた盛田昭夫の二人のコンビがあったから発展したと言われています。つまり、矛盾 を矛盾とさせない素晴らしい能力をひとりでは持ち得ないので、それを補佐するいい参謀、いい番頭を得たときに、会社はたいへん発展すると言われているわけ です。
 ところが我々中小企業には、たまたまそういう素晴らしい番頭が神様の配慮で入ってくると言うことはありません。さすれば、トップである皆 さんが矛盾した二つのことをやらなければならないのです。つまり、相矛盾する両極端をひとりで持ち、それを正常に機能できる人を演じなければなりません。 中小企業で、才能もそうないのに天才を要求される。しかし、皆さんは泣いてでもそれをやらなければならないのです。
 私は自分で、普通は二人でやることを、我々中小企業の場合にはひとりでやらなければならない、それができるように頑張っていこうと思って、今までやってきました。このことは非常に大事な問題です。
 

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このページは、前田が2008年7月11日 08:36に書いたブログ記事です。

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