潜在意識にまで透徹する強い持続した願望を持つ

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稲盛塾長の講話より

「潜在意識にまで透徹する強い持続した願望を持つ」には次のようなことを私は書いております。

高 い目標を達成するには、まずこう在りたいという強い持続した願望を持つことが必要です。新製品を開発する、お客さまから注文をいただく。生産の歩留まりや 直行率を向上させるなど、どんな課題であっても、まず何としてもやり遂げたい油という思いを、心に強烈に描くのです。純粋で強い願望を、寝ても覚めても繰 り返し繰り返し考え抜くことによって、それは潜在意識にまでしみ通っていくのです。
このような状態になったときには、日頃頭で考えている自分とは別に、寝ているときでも潜在意識は働いて、強烈な力を発揮し、その願望を実現する方向へと向かわせてくれるのです。

このように私は書いて、従業員の人達に説明をいたしております。
こ れは、潜在意識にまで透徹する強い持続した願望、つまり、ここで言いたいのは、強く持続した願望を持つということです。それはこう在りたい、こうしたい と。私の人生はこうしたい、私の会社はこう在りたいということを強く持続して。継続して、強い思いを持つということが大事であります。
潜在意識ということが出てきたのですけれども、潜在意識というのは何なのかというと、私はよくたとえてこういうことを言っております。
潜在意識というのは、今、皆さんが頭で考えておられるのは顕在意識。つまり顕れた意識です。潜在意識というのは隠れてしまって、底に沈んで顕れてこない意識を潜在意識と呼ぶわけです。
そ の潜在意識というのは、言っても皆さんにはピンと来ないかもしれません。一番いい例は、皆さん自動車運転をされると思うのですけれども、最初に教習所で もって、自動車運転を習い始めるときには、たとえばハンドルをこう持って、「こうですよ。ギアはブレーキがこれで、これはアクセルで、これはクラッチで、 このクラッチを踏んでギアチェンジをして」というので教わるわけです。
それを教わりますと顕在意識、つまり顕れている意識で覚えるわけです。覚えて、はい、その通りやってごらんと言うと、もう手と足がバラバラになって、教習所の先生に怒られるわけです。
つ まり、頭で考えていることと、手と足がバラバラになってうまくいかないということを経験されたと思います。しかし何日もやっているうちに段々うまくなって いきます。うまくなっていって、免許をとって、今では車に乗っておられると思うんですが、別に運転をして、クラッチを踏もうか、ブレーキを踏もうか、アク セルを踏もうかと思って踏んでいる人は誰もいませんね。危なくなると勝手にブレーキを踏んでいますし、道路のあの狭い道をうまくスイスイスイと、対向車が きてもすれ違いも、本当に狭いわずかなところをきれいにすり抜けて通っていくという軽業みたいなことを毎日やっておられる。このように顕在意識を使わなく ても、隠れた潜在意識で運転をしていることを経験されていると思います。
○潜在意識を日常的に活かす方法
潜在意識に入ったものが、日常生 活に出てきて使えるようにするための方法としては、実は連続して強く持続したもので叩き込んでいく。つまり、強く持続して覚え込ませたものというのは、潜 在意識に入ると同時に、その潜在意識が日常生活の表に出てきて、それを使うことができるのです。
潜在意識というのは、我々人間が、今フッと何か思 いますね。思ったり、経験をします。人生でオギャーと生まれてから死ぬまでの間にいろんなことを考えたり、思ったり、経験をしたりします。それが実は全部 潜在意識に蓄積されているのです。それは、今私どもが使っている、この頭のなかの意識とは違って、頭のなかで使っている意識の何十倍という容量があると言 われております。
顕在意識では覚えてもいなかった子供の頃からのことが走馬燈のように、一瞬の間に映画のようにダーッと出てくるという。それはま さに生命の危機に瀕したときに、潜在意識に入っておった知識、意識が全部蘇って出てくるわけです。そういう潜在意識が蘇ってくるのは、生命の危機に瀕した ときだけなんですね。
ところが、持続して繰り返し繰り返し入れたものというのは、実は生命の危機に瀕していなくても、車の運転のときと同じように 出てくるわけです。使えるわけです。つまり、強烈な印象でもって潜在意識に入ったものか、繰り返し繰り返し入れたものというのは、生命の危機に瀕していな くても、顕在意識に上がってきて使えるという。そういうものが潜在意識なのです。
ところが残念ながら、今、この働いている意識のほうが非常にメモ リーが少ないものですから、全部忘れたりしてしまってデキが悪いわけです。ところがその下に隠れている潜在意識は、すごい容量がありますから、一生涯か かったもの、一回でも経験したことは全部覚えているわけです。それが使えるようになるということは、人生のなかで大変豊かなことなのです。それが使えるよ うにするということは、実は繰り返し繰り返しやるということが、潜在意識に入って、同時にその潜在意識から出てくるということなのです。
つまり、 仕事のことで、または会社経営のことで、四六時中、先ほど言いました「有意注意」、有意注意でド真剣に考えているときにパッと閃く。四六時中考えておるも のですから、パッと出てくる閃きというのは核心を突いています。まさに自分が今遭遇している問題を解決する大変なことが閃くわけです。それが実は非常に大 事なわけです。
私も若い頃からずっとそうですが、たとえば夜中にパッと気が付く。パッと思い付く、または夜中にポッと目が覚めて、何で覚めたのか なと思い、速く寝につかないかんなと思っても目がさえてくる。それでパッと気が付くという。それを、メモ帳を枕元に置いて、メモ帳に全部それを書き留め る。それを翌日会社に行って、それをすぐに実行に移す。そういうことをよくやってまいりました。
○潜在意識が時、モノ、人との必然の出会い、閃きを呼び込む
思い付く、閃くということは有意注意でもって、非常に真剣に毎日コンセントレートして仕事をしておりました場合には、潜在意識に入っているものがある瞬間にポッと顕在意識に浮かんできて、解を与えてくれるというケースが非常にあります。
た とえば、これはいい例ではないかもしれませんけれども、ある仕事をしよう、と。今の自分の本業でやっている仕事では将来、どうもあかん、と。もう少し業種 を広げたい、と。もうちょっとましな仕事をしたい。ただし自分には経験もなければ、学問もない。ましておやそういう技術も持っていない。だけどやっぱり、 こんなことをしたいなと思っている。そうしなければ会社の将来がないではないか、と。そういうことを真剣に、真剣に毎日考えている。
つまり、そう いうことをしたいなと思ったけれども、自分にはその技術もない、経験もない、頭もない。だからもうあかんわと思うのではなしに、ないけれども、自分の会社 を、今の本業のままだけでは将来性がないので、何かしたいと。そう思って何かないかなと思っている人がいるとします。
たとえば友達なんかと会合があった、または学校の同窓会に行った。そのときに隣に座った奴と一杯飲みながら喋って、
「あんたは何をしとるのや?」
「私は東芝に行っている」
「東芝でどんなことをしているんですか」
「東芝で、こんな技術でこんなことをやっている」
 自分がこんなことをやりたいと思った事と同じことだったとします。
「あんた、それはどんなことをやっている? もうちょっと聞かしてくれ」
「東芝では、みんながこういうことをやりたいと思っても、なかなかやらしてくれないものだから、困っていますのや」
それはオレが実は、そんな仕事があったらやりたいと思っている。技術屋もいないので、と思ったことがあります。「あんた、ウチの会社小さいけれども、東芝を辞めてウチへきてくれないか」と。
それは、それは偶然会ったように見えますけれども、実はその潜在意識がそういう同窓会に行かせて、そしてたまたま隣に座ったのも、潜在意識がそうさせて、そして「あんた、何しとるのや」という話を訊くのも、偶然ではないんです。
つ まり、事業でもやるというのは、自分自身が何でも知っていなければならんという。私は京セラというものすごい会社をやっていますが、私が全部、それができ るというものじゃないわけです。私の下にそれぞれの専門家、みんなが集まってきたからできるようになっただけなのであって。それはそういう専門家を、私の 手許にみんなが寄ってくるようにするためには、私自身がそういうことをしたいということを思って、そういうものを潜在意識に入れて、その潜在意識に働きか けない限り、そういう人がおっても、猫に小判なんですな、これは。猫に小判というのは、実はあなたにとっては大変な小判なのに、葉っぱにしか見えないもの ですからね、通り過ぎてしまう。
ところが、そういう潜在意識に入っておって、それが意識に上がってきておると、普通では何でもない同窓会で、単な る東芝に勤めているという技術者と何でもないこと、自分とは何の関係もない、土建業をやっている人とは何も関係ないはずだったのに、実はそれが、自分は土 建業だけではあかんな、将来何とかと思っておったものが、その話だと、ウチは土建業で何にもないけれども、そういう仕事をしたいと思うんだが、あんたウチ で一緒にやらへんか、ということになってくる。つまり、そういうことを考えておるから、成っていくのです。
ですから、この潜在意識にまで透徹する強い持続した願望を持つというのは、実は大変大事なことです。潜在意識に入っていった、その潜在意識を活用するという。それは誰でも活用できるのです。そういうふうに真剣に考えていきさえすれば、誰でも活用できます。
つ まり、強く持続した思いは実現するというのは、これは普遍的な原理なんです。何も潜在意識を使う、使わないは関係ないんです。そのプロセスのひとつとして 潜在意識を使うこともできるということであります。どうしてもこう在りたいという強い願望というのは、必ず実現する。これはもう自然界のなかにおける普遍 的な原理なんです。
その原理を、みんなあまり信じていないんですよ。持続した強い願望ですから。ちょろっと考えただけではダメです。いや、三日考えたらいいのかというと、三日ぐらいじゃあかんのです。じゃ1年はどうか。1年ぐらいじゃあ、ならん。
も のすごく強く思っていくという持続した願望は実現するというのは事実なんですけれども、それがポッと思ったら、ポッとなるというふうに、1+1=2という ふうになっていれば、みんなが信ずるのですけれども、それが1年かかっても実現しない。ある人は1年かかって実現したというけれども、それは時間の問題で はなしに強さ、強度の問題。思いの強さの問題によっても違うでしょうしね。それが非常に、こうすればこうなるというルールが決まっていないもんですから、 こうすればこうなるとハッキリしないものだから、誰も信じられない。
だけど、成功できた人というのは、みんなそれを信じています。ですから大きい 仕事をできた人というのは、これを信じている人なんです。できない人は、それを信じられない人です。信じられないから、信じられない程度にしか思いません から、全然実現もせんわけです。それはもうまさに、潜在意識云々という問題以前に強い、そういう願望、強い願望というのは必ず実現する。
ですか ら、私はよく言うのですが、自分の人生、今からの人生は、今たいへん苦しい会社経営の人もおられると思いますけれども、自分の人生も、自分の会社の将来 も、絶対悲観的に見てはならん。今は辛いし、今は苦しいかもしらんけれども、きっと私の人生はバラ色の人生で、素晴らしい人生が待っている。ウチの会社は 今からものすごく発展するんだ、と。そういうことを絶対に思うべきなんです。ゆめゆめ先々、どうかなりゃせんだろうか、潰れはせんだろうかという心配をし ていけません。
絶対に自分の仕事も、人生も、ゆめゆめ悲観的なことを思ってはならん。絶対にうまくいくというふうに思い込む。そうすれば、少しでも人生というのは拓けていきます、うまくいきます。これはもう鉄則なんですね。
新 しい会社の計画を、3ヶ年計画、5ヶ年計画というふうに立てて、ウチの会社はこうやっていくぞと、その計画を社員に示し、それを引張っていくとするなら ば、それを成功させるのは不撓不屈の一心にあり。どんな艱難辛苦があろうともくじけませんよ、と。鉄をも、岩をも通すような一心不乱でオレは頑張るぞ、 と。つまり不撓不屈の一心にあり。そしてその計画を、気高く強く一筋に、純粋に思い続けるということが成功の元なのです。新しい計画の成就、成功はそれし かありません。そういうことを、私は言っています。

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このページは、前田が2008年7月15日 08:47に書いたブログ記事です。

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