原価意識の高まりは、ビス1本、ナット1本の値段を教えていくことから

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稲盛塾長の講話です。

私自身、よく製造現場に足を 運んだものです。そうすると、原料が片隅にこぼれている。1キロいくらの原料がバラバラッとこぼれている。もう身が切られる思いがするわけです。すぐにみ んなを呼び集めて、「なんで原料がこぼれているんだ!」と怒ったりしたものですが、現場では忙しく一生懸命に働いているものですから、たとえば組立工場で はビスやらナットが、手から滑り落ちてこぼれてしまいます。そういうビスやらナットが何個か落ちているんですが、ベルトコンベアの流れ作業ですから、それ を拾っていたのでは間に合わない。ですから、こぼしたままでどんどん組んでいかなければならない。しかも、落ちたビスやらナットを作業者が踏んづけてしま うものですから、拾っても使えなくなってしまう。そういうものがゴロゴロ、ゴロゴロ落ちている職場を見ると、こんなことで採算が合うわけがないと思ってし まうわけです。
私は製造現場でビスが落ちているのを見るたびに、「ここにビスが3個落ちておるけれども、これは1個いくらなんですか?」と訊くん です。大抵は「へえ?」という答えしか返ってきません。女性の作業者は誰も知らないわけです。ですから、「これはいくらなんですよ」と教えてあげなければ ならない。つまり採算意識とは、まず自分が組んでいるビス1本、ナット1本は何銭するのか、何円するのかを知ってもらうことから始まるわけです。そういう ものを全部教えて、みんなに採算意識、コスト意識を持ってもらうようにしていく。このことを痛切に感じたものですから、私はこの「採算意識を高める」とい うことを一生懸命にやってきたわけです。
経営者はもちろんのことです。採算意識というよりは、原価意識を高めると言い換えたほうがいいと思います。原価意識を持って経営をするのはもちろんですが、従業員一人ひとりにまで、原価意識を高めるように教育することがたいへん大事です。

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このページは、前田が2008年8月20日 15:00に書いたブログ記事です。

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