整理整頓は、職場人として守るべきマナーの一つですが、実際に徹底して行なうとなると難しいものです。今日は整理整頓のポイントについて学びましょう。
1.不要なものは、すぐに処分する
仕事をしていると、いつの間にか物が増えてきます。使う物とそうでないものはすぐに選り分けて、不要な物は思い切って処分をしていきましょう。
2.必ず決められた場所に戻す
使い終わった道具は、元の場所にサッと戻しましょう。それを怠【おこた】ると、次に使用する時に「どこにある?」と探す手間を増やすことにもなりかねません。
3.気づいたら「後でやろう」と思わずに即座に行なう
何事も後にまわすと、結局は実行できなくなってしまいます。整理整頓は気づいたら、すぐさま軽やかに行なうのがベストです。
身辺が整っていると、気分もスッキリしてきます。普段から整理整頓を心がけて仕事にあたれば、能率も何倍かになって返ってくるでしょう。
今日の心がけ◆整理整頓を心がけます
経営コンサルタントの力石寛夫【ちからいしひろお】氏は、アメリカの大学でホテル・レストラン経営学を学んでいた時、あるレストランでバスボーイの実習をしました。
氏は、教官から「グラスへ水を注【そそ】ぎ足す基本ができていない」と何度も注意されました。今日こそはと自信を持って臨【のぞ】んでも、また注意されるのです。
ある日、教官は「わからないから? 確かに君の動作や形は完璧だ。でも、そこに『どうぞ美味しいお水をお召し上がりください』という気持ちがこもっていないんだ」と指摘されたのです。
人は機械ではありません。人ならではの「情」の部分が、お客様に訴えかける力として存在するのです。
自分の行なう仕事に気持ちがこもっていなければ、いつかどこかの段階でマイナスの要因として露呈【ろてい】するでしょう。
「ていねいさ」「気づかい」「優しさ」など、精一杯の思いを込めて業務にあたっていきたいものです。
今日の心がけ◆日々の仕事に気持ちを込めます
S氏はA社の新人社員ですが、いつも心に不満がありました。人や物への感謝が大切だと知りつつも、実行できずにいたある日、「感謝ノート」を知りました。
一週間を一つのサイクルとし、初日は「健康で毎日働ける」「温かい食事を母が作ってくれる」など、感謝すべきことを20個書き出します。
2日目から4日目は、中から3個を選び、各々200字程度にまとめます。5日目から7日目は、文章を見直して磨き上げます。これを毎週繰り返すのです。
S氏は、心も身体的トレーニングのように毎日鍛えることで豊かになると信じ、感謝ノートを毎日書き続けました。
そうするうちに、「両親がいつも自分のことを見守ってくれている」など、今まで見過ごしていたことに気づき、自然と心が明るくなっていったのです。
身の回りの様々なものに対して感謝の念を抱き、それをあらためて強く意識することは、自身の心を成長させる糧となります。「ありがとう」「嬉しいな」「助かります」など、遠慮なく文字や言葉に表わして、心を育てていきましょう。
今日の心がけ◆感謝の念を深めます
Mさんが、会社の仲間とカラオケに行った時のことです。上司が「この歌の詞が好きだ」と言って、ある演歌を大きな声で歌い始めました。最初は、上司のダミ声に耳を塞【ふさ】ぎたい思いでしたが、次第に歌詞の意味の深さを感じ始めたのです。
ここのところ仕事がうまくいかず、気が沈みがちだったMさんは、歌詞から「人生を切り拓く勇気を持つ」「人生は良きも悪きもいろいろある」という、生きて行く上での悲喜【ひき】を感じました。と同時に、この演歌を声高らかに歌う上司の心情も、垣間見ることができました。
拍手を送るMさんに、上司は「お前も仕事でいろいろとあるだろう。そんな時は、歌に助けてもらえ。俺もそうだ」と励まされたのです。
ただ漫然【まんぜん】としていては心に響かないことでも、その気になって接してみると、人生を豊かに生きるヒントが見つかるものです。
職場や家庭を、今までとは違った目で見つめ直し、自己の向上に役立ててみてはいかがでしょう。
今日の心がけ◆視点を変えます
新人の入社、社内の異動などがあり、新鮮な空気の満ちる4月です。職場に生きる私たちは、改めて業務の意義を理解することからスタートさせたいものです。
例えば、なぜ朝礼を実施しているのでしょう。なぜ『職場の教養』を読むのでしょう。朝礼は、プライベートから職場への切り替えの時間であり、積極性を養【やしな】うための場です。併【あわ】せて、相互の連帯感を強める役割もあります。
建築業のB社では、全体会議で話し合って、倫理法人会へ入会をしました。企業人としての自覚をより深めるために、朝礼委員会を設置して、それまでの朝礼とは違った内容と活力で臨【のぞ】むこととなりました。
ほどなくして、オフィス内での美化などに変化が現われました。顧客からのクレームを減らし、トラブルを2度と起こさないシステムも構築中です。挨拶も心を込めてできるよう、強化月間をつくってチェックシートを作成しています。
すべては朝礼から始まります。基本を徹底しつつ、工夫を凝【こ】らした活力ある朝礼が、職場に多彩な変化を生んでいくのです。
今日の心がけ◆朝礼を活力の場にします
就職情報などを提供する「毎日コミュニケーションズ」が、20歳代の社会人を対象に、ストレスに関して調査したところ、次のような結果が出たそうです。
「仕事にストレスを感じているか」という問いに、71・9%が「感じている」と回答。そのうち、「ストレスで会社に行きたくないと思うことがあるか」との質問に対して、「毎日」思う人が23・2%にも上りました。
社会人であれば、誰しもストレスは抱えており、その程度や原因も多様です。<自分ひとりだけが大変なのではない>と認識することも必要でしょう。
しかし、何よりもまず当人が知るべきは、「自分には今、仕事がある」という事実です。働ける環境があるからストレスも感じると考えれば、「多少のストレスや苦労などは給与のうち」と腹をくくる余裕も出てくるはずです。
与えられた環境を丸ごと受け止めることは、生身の人間として意外に難しいものです。それでも、仕事ができる幸せをかみ締め、仕事に熱中し、仕事を喜んですることが、働く幸せを感じる源泉【げんせん】につながっていくのです。
今日の心がけ◆自分の仕事に感謝します
私たちの生活は、「言葉」と共にあるといえます。そして、その言葉によって脳が影響を受け、行動に現われていきます。
例えば、「楽しい、嬉しい、ありがとう」を口癖のように使っていると、脳の働きが活発になっていくのです。
また、朝はサッと起き、昼は朗らかに働くなど、行動面において「明るさ」を意識していると、その影響を受けて、身の回りの状況は良い方向に展開をしていくものです。
逆に、常に暗い言葉を使い、背中を丸めてモソモソと動いていると、自ずと身辺の環境は悪化していきます。悪い言動は悪い状況を呼び、それを良い方向に転じさせるには、相当な労力を必要とするのです。
「朗らかな人の心は、世のくもりを照らす光である」といわれます。明るい言葉は自分自身を元気づけ、かつ周囲をも勇気づけてくれます。
日頃の言動から明るさを意識して、生活環境を良いものにしていきましょう
今日の心がけ◆明るい心を持ち続けます
人生に試行錯誤【しこうさくご】はつきものであり、失敗しない人はいません。「失敗は成功のもと」と称されますが、失敗と成功とは表裏【ひょうり】一体の関係にあります。失敗の原因がわかれば、成功への道は拓【ひら】かれます。失敗をどう活かすかが別れ道です。
経営の神様と謳【うた】われた松下幸之助【まつしたこうのすけ】氏は、年末になると売り上げの少ない店を見て回ったと言われています。「この店はなぜ売れないのか」という原因を分析して、翌年の経営方針に反映させたのです。「繁栄している店」だけでなく「業績の悪い店」からも学んだからこそ、松下氏は成功したのでしょう。
吉川英治【よしかわえいじ】氏は「我以外皆我師【われいがいみなわがし】」をモットーに、『新書太閤記【しんしょたいこうき】』『新平家物語』『私本太平記【しほんたいへいき】』など、国民作家と呼ぶにふさわしい作品を数多く遺【のこ】しました。
氏に文学理念とされる「大衆即大知識【たいしゅうそくだいちしき】」という言葉からも窺えるように、大衆をも含めたすべてを「我が師」にしていたのです。
成功者は、どのような店からもどのような人からも学ぶ心を持っています。失敗から成功への道行きは、偉ぶらず、卑下せず、謙虚【けんきょ】に学ぶ心から始まります。
今日の心がけ◆学ぶ心を持ちます
仕事をする意義には、基本的なものがいくつかあります。
1報酬を得る
2自己能力の発揮
3他者の役に立つ
などがそうでしょう。この中で何を優先するかは、その人の生きざまに通じます。
商いの世界には、古来より「三方【さんぽう】よし」という言葉があります。商売人は「お客様のためによし」「世の中のためによし」「自分のためによし」のバランスを保つべきというのです。
お客様に喜ばれること、社会に貢献すること、それが巡りめぐって自分の利益となって返って来るという教えです。世の中の役に立つことを商売の核として据【す】える意識が、時代を超えた仕事の本質なのでしょう。
私たちは日頃、「貢献」という意識を強く持つことはありません。むしろ、報酬のための仕事と割り切っている人が、おそらく大半ではないでしょうか。
「世のため、人のために働く」という意識を持てるようになった時、職場人としての階段を一段昇ったといっていいでしょう。
今日の心がけ◆社会への貢献意識を持ちます
人には一つや二つ、苦手なもものがあります。
普通の生活を送る上では、避けていれば済むかもしれません。しかし、プロとして生きていく場合は、これが致命傷【ちめいしょう】となります。
将棋棋士の米長邦雄【よねながくにお】氏は、内弟子たちに「強くなるには、物事の好き嫌いをなくせ」と言い、勝負師としての心構えを徹底して教えるといいます。
例えば、彼らに嫌いな食べ物があると、それらを二倍、三倍に盛りつけ、必ず食べさせるのです。
なぜ苦手や弱点の克服が、プロにとって必要なのでしょうか。それは、嫌う気持ちが、知らず知らずのうちに意志を弱くさせ、性格的にも偏【かたよ】りが出てしまうからです。それが人間関係や仕事にも影響を及ぼすのです。
プロとして、さらによい仕事をしていくためにも、一念発起して苦手の克服に果敢にチャレンジしていきましょう。いつしか自信が増し、何事にも向き合える強い心と体ができあがっているはずです。
今日の心がけ◆苦手や弱点を克服します
E社長がセミナーを受講していた時、Y講師から「保険」の話題が出ました。「医療保険など入っても無駄だと思っていたが、先日、顧問【こもん】先の経営者夫人から、作業員がケガをした際に大いに助けられたと聞いて、自分の考え方を改めた」という内容です。
この話を聞いたE社長は、セミナー終了と同時に即座に動きました。その経営者夫人のもとを、4時間かけて訪れたというのです。
数日後、Y講師にお礼の手紙が送られてきました。手紙には、「急ぎ、社長夫人に会いに行き、多くの気づきを頂きました」と感謝の言葉が書かれていたのです。
Y講師は<伸びる社長はどこか違うな>と感じ入りました。見聞きすることを積極的に明るく肯定していく時、自ずとチャンスの輪が広がっていくものです。
物事を素直に受け取る人は伸びます。伸びる人の素養として「素直さ」は大きなポイントといえます。学んだことやアドバイスを素直に活かそうと考える心が、自身の成長につながると信じて行動していきましょう。
今日の心がけ◆気づきを行動に移します
T氏は、毎日の通勤の際、自宅から駅までの往復を自転車で通っています。使用している駐輪場は駅に隣接した市営の屋内施設で、常時三人の係員がいます。いずれも定年退職後に第二、第三の職場として働いている人たちです。
T氏は、駐輪場が開設された当初から利用しているため、顔なじみの係員もいます。朝は「風邪を引かないようがんばってください。行ってらっしゃい」と、元気な声をかけてくれます。
さらに、勤務を終えたT氏を「お帰りなさい」と迎え入れ、逸早【いちはや】くT氏が駐輪している所に駆け寄って、自転車を出してくれるのです。
利用者が何百人といる駐輪場にあって、このような対応が何でもないように三人の係員は振るまっています。力むことなく淡々と作業が進められているのです。
T氏はそうした姿に素直に感動しました。どのような時でもどのような場でも、自分の精一杯のまごころを尽くす姿勢に思わず足は止まり、胸のすくようなひとコマに自然と頭が下がるのです。
今日の心がけ◆その時その場に全霊を込めます
スポーツをする前に行なうウォーミングアップは、筋肉を柔軟にし、体を温めます。体への過度な負担や怪我【けが】を防ぐためには欠かせない事前準備です。
また、終わりに行なうストレッチなどのクールダウンは、疲労物質を除去し、硬直した筋肉に柔軟性を取り戻します。これをしないと、翌日以降に疲労を持ち越すことになるのです。
職場においては、朝礼が仕事前のウォーミングアップで、終礼が後始末などのクールダウンであるといえるでしょう。
どの職場でも、物の後片付けは必ず行ないます。しかし、心の後始末まではなかなか至らないのが普通でしょう。
終礼によって、一日の仕事を振り返ると、「ああしたほうがよかった」「あのように言うべきだった」など、反省すべき点が明確化されます。
今日の自分の仕事ぶりが、翌日以降の糧となるように、一歩進んで心の後始末の時間を取り入れてみてはいかがでしょう。
今日の心がけ◆心の後始末をします
コンサルティング業をしているKさんは、さまざまな人と接する中で、仕事が順調に進む人とそうでない人の違いに気づきました。
仕事が思い通りに進まない人が、現状の厳しさに対して愚痴めいた言葉をいつも口にしているのに比べ、順調に進んでいく人は、厳しい状況は同じであっても、常に「こうしたいね。こうなったらいいね」と夢を語っているのです。
夢を語っている人の表情は、イキイキと喜びに満ちていて、周囲に明るい雰囲気がかもし出されます。するとその人の周囲には人が集まり、その夢を共に実現しようとする応援者まで現われます。
一方、現状の厳しさにとらわれている人は、どうしても言葉や表情が暗くなり、結果として周囲の人を遠ざけることになっているのです。
夢を持つことは、未来に対して明るい心を投げかけることであり、その明るさが仕事を成功に導【みちび】く上で欠かせない、よきパートナーとの出会いにつながります。
この気づきを得てから、Kさんも夢を持ち続けていこうと決心したのでした。
今日の心がけ◆夢を持ちます
富士山の持つ魅力に惹かれ、これまで数十回登頂しているAさん。二十歳【はたち】の時に初めて富士登山に挑戦した体験が、人生の指針となりました。
当時、体力に自信のあったAさんは、山頂目掛【めが】けて一気に登りきってしまおうと、走るように歩を進めていきました。
しかし、八合目を過ぎてから呼吸が荒くなり、山頂を見上げても距離が縮まっていないような感覚に陥【おちい】ってしまったのです。頼みの綱の体力面でも限界を感じ、<もうダメだ>と気力が萎【な】えてしまいました。
あきらめて引き返そうとした時、目の前を通り過ぎたベテラン登山者を見て、自分の歩き方との違いにハッとしました。歩幅が常に一定であり、呼吸も安定し、視線は一歩先を捉えるスタイルを持続させながら、着実に進んでいるのです。
Aさんは無心でその登山方法を真似て歩み始め、気づくと登頂していました。目標は高く掲げつつも、一歩一歩地に足をしっかりとつけることを学び、職場においても着実に目標に向かって歩んでいるAさんです。
今日の心がけ◆着実に実行していきます
排水管清掃の会社に勤務する新入社員のSさん。入社3週目にして、退職を考えるようになりました。現場監督の厳しい叱責【しっせき】に堪【た】えられなくなったのです。
家庭の台所、洗濯排水、浴室、洗面台などの管の中を洗浄するこの仕事は、大規模なマンションの清掃を行なう場合は特に、迅速【じんそく】な作業が求められます。
Sさんの仕事は、洗浄前の準備・後片付けなどでしたが、「遅い」「要領が悪い」など、現場監督の容赦【ようしゃ】ない叱責で自分を見失っていました。
そのような時、一年上の先輩に相談したところ、自己分析シートの作成を勧められました。そこで、シートに作業状況や自己の長所・短所を思いつくままに書き出していくことにしたのです。
作成したシートを先輩に見てもらったところ、最優先すべき仕事上の改善点は、先輩社員が作業しやすい環境を整えることだと気づくことができました。
自己の役割を認識したSさん。以後、先輩社員が、スムーズかつスピーディーに作業ができるように先を読む行動で、仕事のやりがいを見いだしたのでした。
今日の心がけ◆自己の役割を認識します
九州出身のYさんは、三人姉弟【してい】唯一の男の子として両親から大切に育てられました。「警察官になりたい」という夢を持ち、関東の大学に進学しましたが、初めての一人暮らしは想像以上の忙しさでした。
慣れない生活に無理がたたり、高熱で寝込んだ時に、朦朧【もうろう】とする意識の中で浮かんできたのは、家族のありがたさだったのです。
「今まで、自分は家族に甘えすぎてきた。経済的な負担だけでも軽減させたい」と思ったYさん。病気が回復した後、親からの仕送りを断り、アルバイト代で生活費を賄【まかな】いながら、学業も疎【おろそ】かにすることもありませんでした。
家族へ恩返しをしたいと、地元で警察官になることを決意したYさんは、採用試験に合格し、憧れの職業に就くことができたのです。現在Yさんは、「家族と故郷を守る」という心情で、日夜、仕事に取り組んでいます。
感謝の念は、時に自分の実力以上のエネルギーを発揮させてくれます。辛【つら】い時には大切な人を思い浮かべて、「ありがとうございます」と言ってみましょう。
今日の心がけ◆ありがとうの思いを伝えます
ビジネスにおいて、クレームはつきものです。接客態度に対するものや、製品の問題や値段に関してなど、その内容は様々です。
このクレームは、放っておけば経営危機を招く火種【ひだね】ともなります。ただし見方を変えれば、軽微【けいび】なクレームには、自社の問題点を表面化させ、しかも改善を促【うなが】す力があるといえます。
それも、わざわざ声を上げてくれるのですから、感謝してていねいに対応することは当然といえるでしょう。クレームとは、顧客のニーズをダイレクトに伝えてくれる「宝の山」であり、貴重な「警告」なのです。
仕事上でミスや失敗を繰り返してしまうのは、せっかくの警告を軽んじることにあります。「まあいいか」「たいしたことはない」「うるさいな」などと高をくくっていると、いずれは取り返しのつかない事態が起きるでしょう。
まずは怠慢【たいまん】や油断といった心の緩みをなくし、小さな出来事に潜【ひそ】む大切な情報を読み取る感性を養って、業務に正対したいものです。
今日の心がけ◆警告を見落とさないようにします
K氏は机の上が乱雑で、書類をたびたび紛失してしまい、仕事に支障をきたしていました。十分に注意しているつもりでも、いっこうに改善できません。
そんな時、セミナーで「物の整理は心の整理、感謝を込めて後始末【あとしまつ】」と学びました。物や環境をもとの状態に回復させるだけなく、感謝の気持ちを形に表わして、心を締めくくることが、次の働きにつながることを学んだのです。
K氏は日々の仕事を振り返り、本当の意味での「後始末」ができていなかったことを反省しました。これまで、椅子は出しっ放し、書類は机の上に広げっ放し、ゴミ箱にゴミを捨てっ放しでいたのです。
この「やりっ放し」が、これまでの仕事上の失敗の原因だと自覚してから、「後始末」を心がけるようになり、仕事ぶりも改善されていきました。
その日の業務の後始末は、次の日の成果に影響します。物や道具の整理に加えて、一日の業務に感謝し翌日に向けて心の準備をする「心の後始末」で、首尾よく明日のスタートを切ろうではありませんか。
今日の心がけ◆業務の反省を活かします
旅行で沖縄を訪れたMさんは、移動に路線バスを利用しました。バスへの乗車時、運転手は一人ひとりの乗客に「こんにちは」と明るい挨拶をかけています。
その声の主は女性の運転手です。降車時にも「ありがとうございました。気をつけていってらっしゃいませ」と心のこもった気配りに好感をもったMさん。そうした運転手の配慮もあって、車内は和やかな雰囲気に包まれていました。
ところが突然「席を立たないでください」と怒声【どせい】が響き、車内の雰囲気が一変したのです。前方を見ると、次のバス停で降車しようとした乗客が、停車する前に席を立っていたのでした。
運転手は、「すべてのお客様を安全に目的地までお届けするのが、私たちの仕事です。バスが停車する前に席を立つと、転倒する恐れもあり、大変危険です」と、言うべきことをはっきりとお客様に伝えたのでした。
どのような職場においても、はっきりと物事を伝えなければならない時があります。社会人として、責任ある応対をしていきたいものです。
今日の心がけ◆はっきりと物事を伝えます
Bさんは、10年前に転職した頃、初めて直面する業務への苦手意識から不安を感じ、緊張する毎日を過ごしていました。しかしその後、快【こころよ】い緊張感と共に、楽しみながら仕事に取り組めるようになったのです。
それは、ある一人の先輩からのアドバイスがきっかけでした。不安を取り除き、自分を向上させるためには、「あの人のような仕事ぶりを身につけたい」と思えるような、職業上の「憧【あこが】れの人」を持つことが大切だというものでした。
Bさんは、所属部署のC部長の、若手社員への厳しさと愛情を兼ね備えた言葉遣【づか】いができる姿勢に、憧れを感じていました。
こうしたC部長の周囲への行き届いた気配りと、仕事への真摯【しんし】な取り組みが、Bさんにとっての目標となりました。そして、C部長の仕事ぶりを模倣【もほう】していく中で、日々の職務が快いものになっていきました。
良き仕事の師、人生の憧れともいえる人と出会い、その人からまっすぐに学ぼうとする謙虚な気持ちが、自己を向上させる近道なのです。
今日の心がけ◆憧れの人を持ちます
50歳代のK氏は、祖父の代から続く理髪店の三代目店主として働いています。スタッフはK氏と父親の二人だけの小規模な理髪店です。
母親も理髪師でしたが、股関節【こかんせつ】を痛めてからは、忙しい時だけ店内の清掃を手伝うくらいで、店には出ていませんでした。K氏は自分が店主になってから、お客様が増えてきたことに、自信を持ち始めていました。
ところがある日、K氏が担当している常連のお客様から、「お母さんはもうお店に出ないのですか」と訊【き】かれたのです。古くからひいきにしてくれているお客様なので、母親が自宅で療養中であることは、重々【じゅうじゅう】にわかっているはずでした。
「私が小学生の頃、あなたのお母さんの笑顔が好きで、お母さんに当たると、うれしかったものです。お母さんが引退される時は、ぜひ最後の客にしてください」と言われ、K氏は、自分ではなく母が目当てでもあることを知ったのです。
仕上げの微調整で母親を呼ぶと、二人は、懐かしそうに会話を始めました。<店の伝統は、自分だけで作れるものではない>と悟ったK氏でした。
今日の心がけ◆職場の伝統を受け継いでいきます
社会人一年生として、スタートラインに立った皆さんは、これから新たな目標や夢を作っていくことでしょう。
職場人として、企業の発展に貢献する仕事ができるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。しかし、フレッシュマンの名前のごとく、「初々【ういうい】しさ」や「さわやかさ」は、今だからこそできる職場への貢献でもあります。
新人のフレッシュな仕事ぶりが、職場にさわやかな風を吹き込み、新鮮な空気をもたらしてくれるのです。
フレッシュな仕事ぶり以外で、新人に強く求められるのは「挨拶【あいさつ】」です。当たり前のように思われがちですが、実際に電話や来客への応対の際に、きちんとした挨拶ができる新入社員は少ないのです。
そのためには、まず明るくはっきりと、そして「今日一日意欲を持って学び、吸収します」との心意気で、挨拶を率先【そっせん】していきましょう。新入社員にとっての挨拶は、周囲に向けての「学び宣言」でもあるのです。
今日の心がけ◆新鮮に仕事に取り組みます
現代は多様化の時代といわれます。しかし、最低限の礼儀、作法などを理解せずに、マイナスな評価を受けてしまう人がいるようです。
得意先の社長が亡くなり、葬儀に参列したM氏は、同業他社のK氏が式場で見せた服装に、驚きを隠せませんでした。
男性の場合、白無地のワイシャツに黒の礼服、無地の黒ネクタイが常識です。ところがK氏は、色物のワイシャツを着て、色柄のネクタイを着用していました。とても弔意【ちょうい】を表しているようには見えなかったそうです。
民俗学の分野では、衣服の起源を装飾面とする説もあり、防寒や防護だけでなく、原始社会においても見た目は重視されていたようです。
衣服のみならず、高度な文明が育【はぐく】まれた現代では、場に即【そく】した常識的な立ち居振る舞いを、社会共通の認識として求められるものです。
何気ない所作【しょさ】を、人は意外と見ているものです。それがプラスにもマイナスにもなると心得て、日々の生活を送りましょう。
今日の心がけ◆立ち居振る舞いに気を使います
古楽器【こがっき】を復元して、演奏会を開いたり、古い遺跡の保存修復をしたりするなど歴史的文化財を保護する活動が、個人、団体から国家レベルに至るまで、世界各地で展開されています。
古来、人々の幸せを願い、良い行ないを積む意味で「作善【さぜん】」という言葉があります。また古くから、橋などの公共物を建てたり、学問を大成させるなどして善を積むことが多くの人を幸福にするという「多数作善」思想があります。
日本では平安・鎌倉時代の仏師は、人間の命が有限だからこそ、その時代の想いや祈りを後世に伝えようと、仏像を謹刻【きんこく】していったといわれています。
私たちが今日、歴史的文化財などに接することは、こうした先人の想いや祈りに、時代を超えて触れることであるといえるでしょう。
職場においても、創業者の願いや理念を確認し、追【つい】体験していくことが重要です。例えば、朝礼で社是【しゃぜ】・社訓を斉唱【せいしょう】したならば、それを職務に活かしていきましょう。
今日の心がけ◆創業理念を心に刻みます
桜前線が日本列島を南から北上し始め、花便りがあちこちで聞かれるようになりました。日本人は昔から桜に特別な思い入れがあるようです。
桜の花は、春の一時期に地域ごとに一斉【いっせい】に咲き、短い期間で散っていきます。そのため、日本では春の季節を形容するための重要な花となっています。
江戸時代、八代将軍・徳川吉宗【とくがわよしむね】の頃より、一本桜から並木桜を花見するようになり、その様子は歌川広重【うたがわひろしげ】の錦絵【にしきえ】などからも窺【うかが】い知ることができます。
江戸時代の花見は、ただ花の下で酒を酌み交わし、ご馳走を食べるだけではありませんでした。女房や娘たちが、花見小袖【はなみこそで】といわれる着物を桜の枝に掛け渡して舞台の幕に見立て、小唄【こうた】や浄瑠璃【じょうるり】、辻舞【つじまい】などを踊ったといわれます。
今日、年中行事と季節との関係が薄れつつあります。しかし4月は、学校の新学期や、多くの会社が新年度を迎え、新たな門出を祝う時期でもあります。
桜の木の下で、こうした思いを新たにし、現代の季節感というものを味わう余裕を持ちたいものです。
今日の心がけ◆季節のものに目を向けます
娘の高校の入学式に出席するために、25年ぶりに母校を訪れたTさん。高校時代、部活動の帰りに通った喫茶店で昼食をとることにしました。
久しぶりに会った喫茶店のマスターが、高校時代にTさんたちが書き込みをした「お客様ノート」を持ってきてくれました。
「中間試験大ピンチ。マスターに励まされながら、ナポリタン食べて猛勉強」「やったね! バスケ部インターハイ出場」などの言葉と思い出の味と共に、Tさんは高校時代にタイムスリップし、過去の自分から勇気をもらったのでした。
25年たった現在でも、お客様ノートは、同店の名物として存在していると、Tさんは知らされました。マスターは、<時折、仲間同士で集まり、このノートを通して近況を報告しながら語り合ってほしい>と願っているのだそうです。
社会や他人の悪口など、不平不満を漏らすことは容易です。しかし、Tさんのように心のふるさとを探り、過去の自分と対話をしながら、現在の自分に活力を得るほうが、心にも体にもいいものです。
今日の心がけ◆過去を振り返って力を得ます