2010年7月アーカイブ

全身で伝える

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 社会人向けのセミナーで講師をしているM氏は、受講生によって、講義内容の真意【しんい】が伝わっている人といない人がいることに気がつきました。

 M氏は「受講生のセミナーに対する意識の向け方の差だろう」と考え、自主的に参加しているか、誘われて仕方なく参加しているかの違いと思っていました。

 セミナー風景をビデオ録画しているため、M氏は自分の担当箇所【かしょ】を再生してみました。すると、表情が固く、機械的な話し方をしていることに驚きました。

 先輩にも、「Mの表情は目元が固く、顔が笑っていても目に変化がないから、楽しそうに話しているように見えない」との指摘を受けたのです。<相手だけでなく、自分にも問題があった>と、M氏は思い至りました。

 「目は口ほどに物を言う」の諺【ことわざ】にあるように、表情には自己のやる気や本気度が表われます。口先だけの説明では、軽くなってしまい相手に伝わらないのです。

 他人に物事を受け止めてもらうには、本気で伝えたいという思いを全身で伝えていくことが大切でしょう。


今日の心がけ◆相手に伝える工夫をします
  

 A氏は管理職として業務に励んでいます。とりわけ部下の指導育成に熱心なA氏ですが、その成果は芳しいものではありませんでした。

 部下は伸び悩み、A氏は指導力を充分に発揮できていません。<どのように部下を育成していくべきか>と悩んだ氏は、親しい先輩に相談をしました。

 すると先輩は、「A君は勉強熱心だし、発言はすべて理にかなっている。僕自身、君の言葉にずいぶんと学ばせてもらっている」と言いました。

 そして、「しかし、言っていることが身についているかといえば疑問がある。言動が一致した時には、言葉に力が加わる。指導者である君自身の足もとを固めることが、まずは先だよ」とアドバイスを付け加えました。

 A氏は、先輩の言葉に我が身を振り返り、部下への指導内容を自身に当てはめてみました。その後、自分の課題を明確にし、徹底して取り組み始めたのです。

 A氏自身の向上と歩調を合わせ、指導力も発揮されるようになり、氏の担当部門は活力が増していると、内外で評判となっています。


今日の心がけ◆足もとの実践に励みます

やる気を持つ

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 現在、若者の労働意欲の低下が大きな問題となっています。成人男女を対象としたあるアンケート調査でも、「仕事にやる気を持って取り組めている」という人は、4人に1人の割合しかいませんでした。

 仕事に対するやる気を計る上で、「あの人はモチベーションが高いから優秀だ」「モチベーションが低いからうまくいかない」など、モチベーションという言葉をよく使います。

 では、モチベーションはどのようにしたら高まるのでしょうか。まず、仕事の目標を明確化することが重要です。目標を見失ったまま、モチベーションの高低だけを取り上げても生産性は高まりません。

 次に、周囲に励ましの言葉をかけてみましょう。部下から上司に「いつも的確な指示をありがとうございます」、上司から部下に「〇〇君にしか頼めない」など、信頼を表わす言葉が会話の中にあると、やる気は上がっていくものです。

 自ら率先して、周囲に「やる気」にさせる言葉をかけてみてはいかがでしょう。


今日の心がけ◆やる気になる言葉を口にします

ワンパターン

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 Aさん宅では、訪問セールスが多く困惑しています。ある夜の8時頃、Aさん宅のインターホンが鳴り、Aさんが受け答えをしました。

 男性が、「〇〇社の者ですが、近所でオール電化の工事を行ないます。工事車両が通りますので、ご挨拶に伺いしました」と告げました。どの辺りを工事するのかを尋ねると、男性は「この近所です」と言葉を濁【にご】すばかりです。

 「お会いしてご挨拶をしたい」との再三の申し出に、<こんな夜間に訪ねてきて、工事を装った売り込みでは>と思ったAさんは、「お言葉だけ頂戴いたします」と伝えました。

 セールスの初回訪問は、「挨拶」が肝心であり、一定のパターンでの進め方は、それなりに意義もあります。しかし、駄目なパターンを繰り返すより、訪問のアポを取るなど、今までとは違うやり方で面談率を上げる工夫が大切です。

 自社の商品に誇りを持ってセールスするのであれば、<今の方法が最善であるかどうか>を問いながら、能率改善を目指したいものです。


今日の心がけ◆業務改善の追求を続けます

言葉遣いを磨く

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俳人の故・楠本憲吉【くすもとけんきち】氏は著書『言葉のおしゃれ』の中で、「本来、日本語は美しいものだが、その美しさが損【そこ】なわれている」と警告しています。外見を飾るより、美しい日本語を知り、使い方を身につけることが重要だと強調します。

 美しい言葉とは、時と場所と状況に応じた話し方、すなわちTPOを心得た言葉遣いを指します。正しい言葉遣いを支える基礎は、生活で身につけた知性やセンスだといえます。

 <話をしてみれば、その人物の大よその見当がつく>とはよく言われることで、言葉は教養の表われであり、精神の脈拍でもあります。

 どんなに着飾って、外見を整えたとしても、わずかな言葉を交わしただけで、その人柄は出てしまうものです。たった一言によって印象が固定化されてしまっては理不尽【りふじん】でしょう。

 荒々しい言葉、とげとげしい言葉などを排【はい】し、せっかく使うのですから、「温かくてやさしい言葉」を心がけたいものです。


今日の心がけ◆場に応じた言葉遣いをします

良き人間関係

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 企業は組織で動き、組織は人によって構成されています。一人ひとりが細心の注意を払っても、個人プレーにのみ終始【しゅうし】していたのでは、業績は向上しません。

 日頃の良い人間関係こそ、いざという時の総合力を発揮する原動力となります。そのためには、職場での良好なコミュニケーションが必要です。「良き友を得んとすれば、まず自ら良き友となれ」の精神です。

 コミュニケーションをとる基本は、先手の明るい挨拶の励行です。相手の心に迫る挨拶ができているかどうかをチェックしてみましょう。

1.日によってムラがないか、
2.人によって違いがないか、
3.先手でするように心がけているか、
4.明るい表情、元気な声になっているか、
5.言葉、動作、表情に心がこもっているか、です。

 ただ与えられたことをやるだけでなく、自らが積極的に関わっていく、という姿勢がなければ成就【じょうじゅ】しません。自己点検し、さらにレベルアップを図り、良い職場環境を作りたいものです。


今日の心がけ◆元気な挨拶をします

会社の代表者

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 社長は、経営に対する最高の実権と最終の責任を有しています。文字通り会社の代表者です。しかし、お客様からすれば、社長だけが会社の代表者ではありません。社員一人ひとりも、会社の立派な代表者です。

 ある小さな電気店に、思いがけない仕事が舞い込んできました。家を新築するため、家電をすべて任せたいというのです。

 社長が、近くに大型量販店があるにもかかわらず、当店を選んでくれた理由を尋ねると、店員の応対に感激したからだということでした。

 その家の老婦人が乾電池を買いに行った時に、店員がとても親切で、帰りには姿が見えなくなるまで見送ってくれたといいます。対応に感激した老婦人が、<この店なら大丈夫>と家族を説得して、指名してくれたのです。

 社員の仕事ぶり、応対の態度や印象が、そのまま会社の評判や評価になる場合もあります。社員が仕事に誇りを持ち、輝いている会社は、顧客や取引先から信頼を得ることでしょう。


今日の心がけ◆誠意ある応対をします
  

笑顔の接客

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 販売員のMさんは、店内でのお客様のクレーム対応で気が滅入【めい】っていました。暗い気持ちのまま、休憩のため喫茶店に入った時のことです。

 Mさんは店員のさわやかな声で、「いらっしゃいませ、どうぞこちらのお席へ。ご注文がお決まりの頃またお伺いします。どうぞごゆっくり」と案内されました。

 店内は込み合っており、時折、お客様が店員に催促の言葉を投げつけていました。きつい物言いに対しても、店員は無駄のない動きをしながら、明るく返事をしています。どのような言葉に対しても、誠実に受け答えをしているのです。

 店員の素晴らしい笑顔での接客を見て、Mさんは、暗い気分が一気に晴れた思いがしました。そして、店頭で暗い表情のまま、返答もままならなかった自身を思い出し、「自分は、誠実に対応する姿勢が欠けていたな」と思ったのです。

 さわやかな笑顔や誠実な対応は、他人にも影響を与えるものです。朝のスタート時から、明るい挨拶やキビキビとした行動で、活気あふれる職場づくりをしていきましょう。


今日の心がけ◆誠実に対応します

お客様の視点で

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 Sさんがビジネスホテルに宿泊した時のことです。

 部屋に入ると、机の上には宿泊者向けの案内ファイルが開いてありました。ホテル内の施設を調べたかったSさんは、すぐに確認することができました。そこには近隣の飲食店などの情報を書いたマップもはさんであります。

 部屋を出ようとすると、ドアの目立つところに「このドアはオートロックです。鍵は持たれましたか?」と貼り紙があり、思わず目を引かれました。鍵を持つのを忘れていたSさんは、危うく難を逃れました。

 翌朝、チェックアウトの際に、利用しやすかった旨を伝えると「当ホテルは、お客様のご意見を反映させております」とのことでした。

 また、社員が自社系列のホテルを相互に利用し、お客様の立場で不便と感じた事柄【ことがら】を提言カードに書くようにしているとも教えてくれました。

 業務の慣れの中にこそ、落とし穴があるものです。第三者の立場で見直し、業務改善することが、事業発展の鍵となるのです。


今日の心がけ◆業務上の慣れに気をつけます

挨拶の力

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 Aさんは、犯罪抑制【よくせい】対策部門に所属し、街の安全のために貢献してきました。退職後の現在も、保護司として犯罪抑止のために活動しています。

 Aさんいわく、街を犯罪から守る最大のカギは「地域力」だそうです。地域に暮らす住民とのつながりを大切にしながら、近所間の連携を密にしていくことです。また、昔ながらの近所付き合いも大切だと言います。

 現代社会においては、お互いの干渉は慎【つつし】む傾向にあり、隣近所に誰がいるかもわからない場合が多いものです。

 そのような社会でも、道で近所の人と顔を合わせたならば、「おはようございます」「こんにちは。今日はいい天気ですね」と、明るく挨拶を交わすことが大事だとAさんは強調します。

 Aさんの職務経験上、犯罪が発生しにくいところは、隣同士が挨拶を交わし、関心を寄せ合う空気が漂【ただよ】う地域だそうです。

 「挨拶は、人と人とを結ぶ金の鎖」と心に留めて過ごしたいものです。


今日の心がけ◆地域で挨拶の輪を広げます
 

勇気を与える言葉

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 経理部に所属しているA子さんは、新入社員の頃、伝票の記載【きさい】間違いや、電話のやり取りで行き違いが多く、自信を失いかけていました。しかし、先輩であるB子さんの言葉が、A子さんに勇気を与えてくれました。

 ある朝、職場全員の机を拭くために、流しでバケツに水を汲んでいると、出社してきたB子さんに、「A子さんは誰よりも早く来て掃除をするし、ゴミが落ちているとサッと拾うし、いつも感心しているわよ」と言われたのです。

 思いがけないB子さんの言葉に、A子さんの心に灯【あか】りが灯り、<自分のことを認めてくれる人がいる。一所懸命働こう>と気持ちを新たにできたのです。

 入社5年目の今、A子さんは、努【つと】めて後輩の良いところを見つけて、伝えるようにしています。「自分では気づかなかった私の良いところを教えてくれたB子さん。美点を発見する彼女の心を受け継いでいます」とA子さんは言います。

 人は誰しも、認められるとうれしいものです。職場において、「よし頑張ろう」という気持ちになるような言葉を、周囲の人にかけていきましょう。


今日の心がけ◆人の美点を見つけて伝えます

朝を生きる

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 皆さんは毎日、気持ちよく朝を迎えているでしょうか。「もう朝か・・・。まだ寝ていたいな」とボヤキながら、しぶしぶ起きる人がいるかもしれません。

 生活のリズムを整えるには、決まった時間に起きることです。そのためにはまず、眠りにつく時間も極力一定にさせることが大切です。就寝時間という軸を動かさないことで、睡眠のリズムを保つ効用があるのです。

 就寝時間を一定にすると、遊び過ぎや働き過ぎを抑えるプラス面もあります。ともすれば乱れがちな現代人の生活を、程【ほど】よく調整することにつながるのです。

 毎日、一定の睡眠が得られれば、一定の体力を確保できます。仕事は体力勝負であり、十分な活力がない状態では、望むべき成果は得られません。

 「朝を制する者はビジネスを制す」という言葉があります。それは単に、朝の時間を活かすだけではなく、朝から人として生きる力を備えた状態を言うのです。

 「一日一生」と考えれば、朝は生命力に満ちた無垢の状態です。朝、目が覚めたらサッと起きて、一日を有効に活用したいものです。


今日の心がけ◆朝から精一杯生き抜きます
 

海の恩恵に感謝

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 本日は、「海の日」です。日本は、四方【しほう】を海に囲まれた海洋国で、昔から外国文化の伝来をはじめ、人の往来や物の輸送、産業、生活などの各分野にわたって、海と深く関わってきました。

 海の日は、国民運動により制定された唯一の祝日です。制定には海事【かいじ】関係者の長年の活動がありましたが、私たちはどれだけ海に関心を寄せているでしょうか。

 海を活動の場にしているダイバーのSさんは、地域の釣り人たちと協力し、「海岸清掃プロジェクト」を立ち上げました。

 Sさんは、「海を取り巻く環境は、人の手を借りなければならない程悪化し、海の環境をよくするためには世界中の人が関心を持つ必要がある」と強調します。

 海は、魚介などの食料、資源となる石油や天然ガスの他に、二酸化炭素を吸収したり、気候や気温を調整したりと、計り知れない恩恵を与えてくれます。

 「海の日」は、海に対する感謝の心を深める一日です。海を取り巻く地球環境に関心を向け、大自然の力によって生かされていることを自覚していきましょう。


今日の心がけ◆海に感謝します
 

ベテランの驚き

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 定年間近のY氏は、経理の仕事に携わって30年になる大ベテランです。最近は経済不況のあおりを受け、社の経営的な逼迫【ひっぱく】を肌で感じる日々です。

 「うちも半年ほど前までは順調だったんだ。それがこんな状況になるなんて、会社はもう危ないな。ここまで酷【ひど】くなると、営業も製造もやる気は出ないだろうし、彼らは気の毒だ」と周囲の経理課員に語っています。

 ある日、Y氏は営業部に用事があり立ち寄りました。ところが意外なことに、営業部員たちは、電話にかじりつく者、資料作成に集中している者、プレゼンテーションの予行をしている者など、誰もがイキイキと働いているのです。

 営業部の熱気に驚いたY氏は、そのまま製造部にも足を運びました。ここでも皆が、非常に集中した表情と眼差しで、商品の製作に取り組んでいます。Y氏は自社の若手たちを大いに見直し、自身の消極性を情けなく思ったのです。

 数字は事の状況を端的【たんてき】に表わしますが、人間には数字では計れない「熱」があります。逆風を押し返す原動力は、そこに働く人々の一致した熱気にあるのです。


今日の心がけ◆一致団結して事を進めます
  

さわやかな挨拶

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 Oさんが通勤の際に利用する最寄【もよ】りの駅では、「おはようございます」と駅員が明るく挨拶をする光景が見られます。

 駅員は時には大きな声で、子供やお年寄りにはやさしい声で、急いでいる人には短くなど、一人ひとりに挨拶をしているのです。こうしたさわやかな挨拶は乗客の心を和らげ、駅を明るい雰囲気に包んでくれます。

 さわやかな挨拶を、皆さんは家庭や職場の中でスムーズに実行しているでしょうか。それとも背中を向けているでしょうか。

 さわやかな挨拶は人間関係を円滑にしてくれます。そうした職場環境が築【きず】けるからこそ、仕事で成果を上げることができるのです。

 職場で、いつでもさわやかに挨拶が飛び交うようになれば、協力し合う心が育まれるようになり、会社全体の発展に通じていくのです。

 先に挨拶をされるのでは受け身です。職場の同僚、先輩、お客様など、誰に対しても自ら先手でさわやかな挨拶を発し、気持ちの良い職場を形成していきましょう。


今日の心がけ◆率先して挨拶をします

二年目のジンクス

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 プロスポーツの世界では、「二年目のジンクス」というものがあります。デビューの年に活躍した新人が、二年目は成績を上げられないことをいいます。

 営業担当のNさんも、職場で二年目のジンクスを経験しました。営業主任となった一年目は、課題はあったものの上司や先輩のアドバイスを忠実に受け入れて、売上げ目標を大幅に上回る成績を残すことができました。

 しかし二年目は、上司や先輩のアドバイスがあっても、素直に聴く受け皿がなくなり、課題にしっかり向き合わなくなりました。そして、同じ失敗を繰り返す日々が続いた結果、最下位の成績となってしまったのです。

 新しい仕事を始める時には、すぐに結果を出して周囲に認められることに、意識がいきがちです。その際、仮に結果が出たとしても、その内容に課題があれば、冷静に受け止め、弱点を明確にすることが重要なのです。

 仕事が順調でも弱点をそのままにせず、<どうしたら克服できるのか>をしっかりと考えて、自己課題を明確にし、着実に成長していきましょう


今日の心がけ◆自己の課題を明確にします

チャンスをつかむ

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 新しい物事にチャレンジするには、勇気が必要です。しかしこの時、「失敗したら」と考えてしまうと、急に思い切りが悪くなり、行動に移せなくなります。

 「無理だ、できない」と言って、挑戦するのを諦【あきら】めてしまったなら、先へは進めません。変わることもできません。世の中は常に変化しています。現状維持だけでなく、新しい物事に取り組むという姿勢は必要です。

 チャレンジすることは、現状を変えるチャンスがあるということです。最初からやる気がなかったり、「ノー」と言ってしまっては、せっかくのチャンスを逃【のが】してしまうのです。

 もちろん、ただチャレンジするだけでなく、多大なるリスクを被【こうむ】る可能性があるかないかを、見極める能力も養わなくてはなりません。

 チャンスをつかむには、まず「よし、やってみよう」と受け切ることです。必要だから、チャンスが巡ってくるのです。十分に応【こた】えられる体制を整え、「ハイ」と受けて気持ちを前向きにし、目の前のチャンスをつかんでいきましょう。


今日の心がけ◆前向きな心で受けます

食事の教室

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 現代の家庭の食卓は、各々で食事を【おのおの】摂る「孤食【こしょく】」や、調理済みの食品で済ませる「中食【なかしょく】」という新語が生まれるほど、一家団欒【いっかだんらん】の時間が失われつつあります。子供が一人で食べる姿は、栄養を摂っているだけとしか見えません。

 その結果、「俯【うつむ】いて猫背」「テーブルに肘【ひじ】をつく」という子供が増えています。しかし、子を叱る前に、親が反省しなくてはなりません。

 元来、家庭の食卓は親が先生となり、子供が食事の作法を学び、食物への感謝の心を涵養【かんよう】する「教室」でした。また、家族とのふれあいから社会性を深める場でもありました。その教室が廃校になっているのが現代なのです。

 「つつしんで噛【か】みしめる」など、最低限の食事の作法は社会人としてのマナーです。仕事のせいにせず、できるだけ家族で食卓を囲む時間を作り、子供に大人のまっすぐな美しい姿勢を見せるのです。

 そうした食卓で育った子供は、常にまっすぐ前を見据える、美しい姿勢と心を持った大人に成長することでしょう。


今日の心がけ◆家庭での食事の形を見直してみます
 

情報断食

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 現代はインターネットなどにより、様々な情報を即座に得られます。そのようにして得た情報を、物事を判断する際の指標【しひょう】にする場合があるでしょう。

 情報には、共通に認識できる事象もあれば、発信者の人生観や倫理観に基づいているものもあります。虚偽【きょぎ】の話が一人歩きしている場合もあります。

 ある事柄について調べる場合は、一方の視点だけでなく、他方の視点も見ておくべきです。双方【そうほう】の主張を知ることで、捉【とら】え方によって、結論に大きな違いが生じるということを心得ておきましょう。

 また、多くの情報により混乱した時は、一度すべての情報をシャットアウトしてみることも必要です。冷静になる時間を持つことで、無駄な情報と生きた情報との峻別【しゅんべつ】ができるようになります。

 自分で考え、自分で判断することの心がけによって、自身の行動力も高まっていきます。情報に一喜一憂せず、情報の洪水に流されることなく、自ら主体的に判断し、そして行動していきたいものです。


今日の心がけ◆判断力を高めます

どこに違いが

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 通院を始めたAさんは、どの薬局で薬をもらおうかと迷いました。それは、3軒が隣接していて、利用者が多い所と少ない所があったからです。

 「どうしてこんなに違うのだろう」と思ったAさんは、1ヵ月に一度行く薬局を、毎回替えてみることにしました。

 Aさんが、3ヵ月で3ヵ所の薬局を利用して感じたのは、利用客の多い薬局は、<間口が広い。待合室が明るく清潔。椅子が多い>など、施設の環境が良い所でした。さらに、薬剤師やスタッフの対応に明らかな違いがありました。

 利用者が多い薬局では、すぐスタッフが近づいてきて、優しい声と笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけます。その後、利用者の座った椅子の前に膝を付き、症状などをていねいに尋ねるのです。

 業種によっては、威勢のいい挨拶がお客様を呼び込んだりしますが、職種やその時と場で、臨機応変【りんきおうへん】な対応は大切です。「相手が今どういう状況であるかを、まず知る必要があるのだ」とAさんは感じました。


今日の心がけ◆状況を察知します
  

「すみません」の一言

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 Nさんが、帰宅ラッシュ時の電車に乗っていたある日のことです。乗り降りの激しい途中駅で、ある場面に遭遇しました。

 ドア付近にいたNさんは、降車駅ではないものの、大勢の人が降りるため、いったんホームに出ようとしましたが、入り口付近の女性が動こうとしません。

 Nさんは、女性に対して<ここで降りないにしても、いったんホームに出てもらえないかなあ>と困り果ててしまいました。

 すると女性は「ここでは降りないんでしょ」と言うので「はい、降りません」と返すと、不機嫌そうに「だったら、私の前に立たないでよ」と言うのです。

 Nさんは、<なんて自分勝手な人なんだ>と怒りも湧【わ】かないくらいに、呆気【あっけ】にとられてしまいました。

 帰宅後もモヤモヤした気持ちでいたNさん。しかし、お風呂につかって冷静に考えた時、自分が先に「すみません」と声をかけていたらと思い直しました。そして、自分も日常業務で身勝手な行動をしていないかを省【かえり】みたのでした。


今日の心がけ◆相手を思いやる気持ちを持ちます
 

折り返しの電話

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 Mさんは、2匹の愛犬を、どこへでも一緒に連れて行きます。

 ある時、遠方【えんぽう】の親戚の家へ行く用事ができました。しかし、電車に乗るため愛犬を連れてはいけません。Mさんはその間、ペットサロンに預け、ついでにトリートメントをしてもらおうと考え、インターネットで地元のサロンを探しました。

 3軒のサロンが見つかり、早速1軒目に電話をすると、その日は営業していないとのことでした。2軒目は留守番電話になっていたため、「また電話します」と言って電話を切りました。3軒目は予約が入っていて断られました。

 愛犬のトリートメントは諦めたMさんですが、預け先をどこにしようかと悩みました。<いつも好意的に預かってくれる友達に頼むか、長時間家で留守番させるか>など、妻と話し合いましたが、名案が浮かばず困り果てていました。

 すると、携帯に見覚えのない電話番号が表示されました。電話に出ると、2番目にかけた留守電になっていたサロンからで、預かりとトリートメントの予約をとることができたのです。Mさんは、それ以来ずっとその店を利用しています。


今日の心がけ◆フォローをしっかりします

振り子の法則

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 振り子は左に振れただけ、同じように右にも振れます。この現象を「振り子の法則」といいますが、この法則は人間の世界にも当てはまります。

 人を嫌えば嫌われ、威張っていると威張られてしまいます。与えれば与えられ、親切にすれば親切が返ってきます。自分の行為・行動が、そのまま自分の方へ戻ってくるのです。

 こうした「振り子の法則」を最もよく実感できるのが、自分自身がピンチに直面した時です。困った時や苦しい時に、親身になって相談に乗ってくれ、手を差し延べてくれる人と出会えるかどうかが、じつは私たちの人生を支えています。

 ここが運・不運の分かれ道であり、人生のターニングポイントとなります。人を助けたことも人に尽くしたこともない利己的な人のところに、どうして「正義の味方」が現われてくれるでしょうか。

 <情けは人のためならず>です。過去の善い行ないが巡り巡って、現在の喜びとなります。今の言動に正比例して、明日の幸せが与えられると心しましょう。


今日の心がけ◆善い行ないをします

私の修行

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 修行とは、もともと仏教で悟りを求めて精神鍛錬【たんれん】することを指しますが、Tさんはある時、<自分も修行をしてみよう>と思いました。その「行【ぎょう】」とは、気づいたらすぐ行なうという実践です。

 これまでTさんは、忘れ物をしても<まあ、いいか>と取りに戻らず、提出書類は締め切り間際にならないと出しませんでした。

 Tさんは、気づいても即座【そくざ】にやらなかった過去を反省し、「即行」を為すべき修行と心に言い聞かせて、己に厳しく取り組みを始めたのです。

 気づいた瞬間に、「ぐずついたらダメ。少しでも考え出したらダメ」と、即行動の実践を始めました。すると、仕事の手順がスムーズになり、「心も体も晴れ晴れ」という状態になっていったのです。

 即座の行動は、自身の心の張りにも反映します。躊躇【ちゅうちょ】のない瞬時の行動を心し、シンプルな即行を身に沁【し】みつかせるのです。

 それが生活全般に及んだ時、隙のない業務姿勢につながっていくでしょう。


今日の心がけ◆瞬時の行動を励行します

緊急処理事項

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 仕事には優先順位があり、およそ三つに大別【たいべつ】できます。

 今すぐに着手すべき「緊急処理事項」、今日中に片づけるべき「処理事項」、終了日時を定めた上で一定期間をかけてやり遂【と】げる「懸案【けんあん】事項」です。

 クレーム処理などの「緊急処理事項」は、それがどんなに困難で苦手なものであろうと、他の仕事より最優先して、即座に着手しなければなりません。

 その判断を誤った場合、組織全体が大打撃を受けることは言うまでもありませんが、それ以上に大切な点があります。緊急処理すべき仕事の内容を上司に事前に伝え、処理後は直ちに報告するということです。

 もともと、上司への報告は「緊急処理事項」の範疇【はんちゅう】です。全体総括【そうかつ】の責任を負う上司から報告を催促【さいそく】された際は、それが些細【ささい】な仕事であってもチーム全体の仕事が後手に回った時であり、組織は危険水域に達しているものです。

 上司も部下も「報告は先に延ばさず迅速【じんそく】に」を合言葉に、密度の高い伝達力を定着させ、一丸となって処理能力を高めていきましょう。


今日の心がけ◆報告は迅速に行ないます
  

ありがとう

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 私たちは、感謝の気持ちを表わす時に「ありがとう」という言葉を使います。

 民俗学者の柳田國男【やなぎだくにお】氏は、私たちが何気なく使っている「ありがとう」という言葉は、もともと神仏を尊【とうと】ぶ場合の「有り難い」が語源だと述べています。

 「有り難い」と言う時、私たちの祖先は「このような神様のお恵みのような出来事は、なかなかないことだ」という心持ちで使っていたというのです。

 現代で「ありがとう」と言う場合、神や仏を意識して使う人は稀【まれ】でしょう。しかし、それだけの思いで言葉を発することは、ビジネスの場において、むしろ強く求められることかもしれません。

 言葉と心は一体です。心の伴【ともな】っていない会話には、どこか虚【むな】しい空気が漂【ただよ】うものです。それを相手も敏感に感じ、プラスに働くことはないでしょう。

 神仏や先祖を崇敬【すうけい】していた先人らは、言葉を不思議な霊力のある「言霊【ことだま】」として大切に扱っていました。現代に生きる私たちも、生活の中で言葉をていねいに扱うことによって、人や物への感謝の気持ちを深めたいものです。


今日の心がけ◆感謝の思いを深めます
  

伝える作業

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 女流棋士の北尾【きたお】まどかさんは、子供たちに将棋の面白さを知ってもらおうと、ライオン、ぞう、きりん、ひよこの四種類の駒で遊べる「どうぶつしょうぎ」を考案しました。

 各駒に決められた動かし方があり、敵陣ではひよこの駒がひっくり返ってニワトリになるなど、将棋の要素が随所【ずいしょ】に盛り込まれています。ルールの理解しやすさとかわいいデザインから、子供たちの人気を集めているようです。

 私たちが扱う商品やサービスは、どれほど良いものであっても、それを伝えることができなければ、お客様に広く提供することはできません。

 伝えられたとしても、言葉が専門用語ばかりで、理解しにくい説明であれば、商品やサービスの良さを知る前に、使う気が失せてしまうでしょう。

 「物を作る」「サービスを行なう」など、「実作業【じつさぎょう】」が大事なのは当然です。しかし、それらに関わるものを相手にわかる言葉で表現できて、初めて正確に「伝えた」と言えるのです。


今日の心がけ◆相手に伝わる表現をします

浴室に亀裂【きれつ】

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 Yさんは、長年住んでいるマンションの浴室の壁に、亀裂を発見しました。

 そのまま放置していると水漏【も】れして、他の居住者にも迷惑をかける恐れがあります。そこでYさんは妻と相談をして、これを機に浴室をリフォームすることにしました。

 さっそく2社のリフォーム会社に連絡をとり、3種類のユニットバスの見積書の提示を依頼しました。するとA社からは、依頼した翌日に見積りが出てきました。B社からは、一週間経ってようやく返事がありました。

 見積り内容を比較すると、ユニットバス自体の割引率にそれほどの差はないものの、A社の工事費は費用明細が詳細に書かれています。

 一方、B社の工事費には、明細の数字がない上に、A社より2割ほど高い金額になっていました。

 金額の高低はともかく、<迅速【じんそく】で誠実な対応をしてくれた会社に頼みたい>と思ったYさんは、A社に工事を依頼したのです。


今日の心がけ◆信頼される仕事をします

食ってやる

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 最近体重が増えたKさんは、職場の同僚と、体重を減らす競争をしました。目標とする体重を定め、4ヵ月間でその目標に近づけるというものです。

 Kさんは、まず間食をやめ、腹八分目の規則正しい食事を心がけました。加えて、できるだけ毎日、妻と散歩をするようにしました。すると、それだけでKさんの体重は順調に減り、空腹感すらも心地よく感じられるようになったのです。

 しかし、もともと食べるのが好きなKさんには、<目標体重を達成したら、思う存分、食ってやる>という思いが、常にあったのです。

 4ヵ月後、2人が職場で体重を測定すると、お互いに目標を達成できていました。すかさずKさんは、「思いっ切り食べて帰るぞ!」と叫びました。ところがその後、ある一文がKさんの目に留まったのです。

 それは、<成就の後も、油断せずに、緊張感を持続せよ。中でも最も難しいのが、事が既【すで】に成ったときに油断せぬことである>という内容でした。

 Kさんは、<これは自分へのメッセージだ>と受け止め、気を引き締めました。


今日の心がけ◆締めくくった後も気を引き締めます
  

押入れの時計

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 Mさんは新築した家に泊まってもらうため、友人を招きました。その際、友人から「寝室【しんしつ】には時計がなくて不便だ」という話があったのです。

 瞬間的にMさんの頭に浮かんだのは、長らく押入れに放り込んでおいた掛時計でした。以前、居間に掛けていたものでしたが、新しい時計を買ったため、まだ使えるにもかかわらず、お蔵【くら】入りとなっていたのでした。

 その存在を思い出したMさんは、<ちょうどいい、あの時計をこの部屋に持ってこよう。捨てずにとっておいてよかった。物は大切にするものだな>と一人悦【えつ】に入ったのです。

 しかしいざ電池を入れてみても、時計の針はまったく動きません。長期間使わずにいたため、どうやら中の部品が錆【さ】びついてしまったようです。Mさん本人は保管しておいたつもりが、結局は捨てたのと同じ結末となってしまいました。

 物は大切に扱えば、私たちのために喜んで働いてくれますが、いったん粗末に扱えば、ソッポを向いてこちらを見向きもしないものです。


今日の心がけ◆物は大切に扱います

閉店前の清掃

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 Iさんは、乗車予定の電車の時刻まで時間があったため、駅前の喫茶店に立ち寄ることにしました。

 店の扉には営業時間は22時までと書いてあり、<1時間ほどあるな>と思っていましたが、閉店30分前になった時、店員が店内清掃を始めたのです。

 コーヒー豆の香りに包まれていた店内は、一転して埃【ほこり】っぽさを感じる空気となり、客は一人二人と席を立って出て行ったのです。

 店側とすれば、<閉店と共にサッと帰りたい>という考えなのかもしれませんが、お客様の立場では<閉店までの30分をくつろぎたい>という思いがあるでしょう。Iさんは、<もうこの店は利用しない>という気持ちになりました。

 「顧客【こきゃく】第一主義」という言葉をよく耳にしますが、Iさんは「これでは従業員第一主義だ」と悲しい気持ちになり、喫茶店を後【あと】にしたのでした。

 会社の業績の好不調には、景気の影響以外にもそれなりの原因があります。お客様の立場で仕事をしているかどうか、自己の働きを確認しましょう。


今日の心がけ◆お客様第一主義に徹します

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