中国に「四面楚歌【しめんそか】」という故事があります。
一般的には「まわりが敵や反対者ばかりで、味方のないこと。孤立無援【こりつむえん】の状態」と解釈されますが、その史実には少し違った意味合いが含まれているようです。
中国の戦国時代、軍人・項羽【こうう】は敵国の漢軍に取り囲まれてしまいます。四方八方から湧【わ】き起こってくる敵軍の歌声を聞いて、「これまでだ」と観念します。
しかし項羽が聞いた歌は敵国・漢の歌ではなく、味方であるはずの楚【そ】の兵士が歌う楚歌でした。彼らは漢軍が優秀と見るや、たちまち寝返ってしまったのです。
項羽は敵の包囲に絶望したのではありませんでした。自分の部下であるはずの者たちが敵方にまわり、自分を攻めようとしていること、その彼らの変心に気づくことのできなかった自分自身の愚【おろ】かさを悟【さと】ったのです。
私たちは、日常的に他者との接触の中で生活しています。自信や信念を持って周囲と接することはとても大切ですが、それが高じて一人よがりにならないよう、充分に注意を払いたいものです。
今日の心がけ◆周囲とのバランスを適度に保ちます

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