2011年1月アーカイブ

プロの仕事

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 Tさんの自宅の近くに高層マンションが建設されることになり、担当業者が近隣【きんりん】の住民に事前説明会を開きました。

 工場内容を説明する口調は柔らかで、専門用語には必ず解説を加え、素人【しろうと】の住民にも理解できるように十分な配慮【はいりょ】がなされていました。

 一通りの説明が終わり、質疑応答の時間になりました。住民の一人から「建設期間中の作業時間は何時までですか」という質問が出ました。

 すると「作業時間は朝8時から夕方5時半までですが、騒音【そうおん】が出る作業は9時から5時までと内規【ないき】で決まっております。また昼の12時から1時まで騒音が出る作業は控え、車両の出入りも同様に行ないます。警備員を常時配置しますので、お子様の登下校もご安心ください」と回答しました。

 聞かれたことだけに答えるのではなく、その奥に潜【ひそ】んでいる住民の不安にまで担当業者が配慮してくれたことに、Tさんは感心したのでした。

 お客様本意の行き届いた対応をし、プロの仕事に徹したいものです。


今日の心がけ◆私は、お客様本位の対応をします。
 

友達

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 YさんがH君の地元で開催されたフリーマーケットに出展した時の話です。土地勘がないため、H君と最寄りの駅で待ち合わせの約束をしました。

 しかしH君は、日頃待ち合わせに遅刻することが多々あったため、Yさんは会場周辺で目印になるような建物をH君から聞き出しました。いざという時には、その目印を頼りに会場へ向かおうと考えていたのです。

 出展当日、集合時間が過ぎてもH君は現われず、携帯電話でも連絡がとれません。やむを得ずYさんは、その目印を頼りに会場へ向かうことになりました。

 会場に着き、急ピッチで準備を進めていると、申し訳なさそうに、ただひたすら頭を下げるH君の姿が視界に入ってきました。

 その姿を見たYさんは、<信用できなかった自分にこそ原因があるのではないか>と思いました。「保険」として目印を聞いたのは自分だったからです。

 Yさんは、その旨を素直にH君に伝え謝罪しました。<まず、相手を信じきること>を決意したYさん。以後、H君もそれに応えてくれています。


今日の心がけ◆私は、信じる心を持ちます。
  

マンネリの殻

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 新人のSさんは与えられた業務にも慣れ、マンネリ感を覚え始めました。

 初めのうちは、慣れない仕事に一所懸命取り組むことで、時間があっという間に過ぎ去っていました。しかし、仕事に慣れ始めると、心と時間に余裕が生まれ、仕事に対する緊張感が低下してしまったのです。

 ある日、ボーッとしているSさんに、「与えられた仕事だけやっていればいいのか。常にお客様のことを考え、少しでもお客様の役に立てるように努力しなさい」と先輩から檄【げき】が飛びました。

 Sさんはその言葉に心を改め、「お客様を第一に考えて仕事ができていなかった」と反省したのでした。

 それからは、「挨拶は心を込めて」「電話応対はていねいに」「資料の文言【もんごん】はわかりやすく」など、お客様のことを考えて、業務に取り組むようになったのです。

 人は、自分の行なってきたやり方を壊すことに抵抗を感じるものです。しかしそれでは、常に変化しているお客様の気持ちはつかめないでしょう。


今日の心がけ◆私は、気を引き締めて業務に取り組みます。
 

共感と反共感

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 人生において、喜びと悲しみはつきものであり、誰しもが持つ感情です。

 人間は、他人の喜びや悲しみを、我がことのように思う「共感」という感情を有【ゆう】します。しかし逆に、他人のマイナスの状況に優越感【ゆうえつかん】を持つのも人間です。

 例えば、スポーツの試合に負けたチームが残念そうな表情を見せた時、勝った側の選手や応援者は<嬉しい>という感情が湧きます。競争社会の中で生きる私たち人間にとって、自然と湧【わ】いてくる感情の一つが「反共感」です。

 確かに、他者との競争が避けられない社会の中では、「反共感」の感情は前に進むための原動力ともなるでしょう。しかし、あまりにその度が強すぎる場合は協調性が乏しくなり、組織として動く際にマイナスとなる可能性があります。

 職場人にとって、他人と競争する心は「必要な」資質【ししつ】ですが、他人に共感する心は、それ以上に「なくてはならない」資質といえるでしょう。

 競争心ばかりに重きを置いていては、ビジネスシーンでの良き人間関係は保てません。感情を共有する力を大切にしたいものです。


今日の心がけ◆私は、共感力を育てます。
  

継続パワー

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 物事の成功の秘訣【ひけつ】は、一度始めたなら最後までやめないことです。
 それを言葉としては理解できても、いざ実際の話になると実行しにくいものです。しかし世の成功者の多くは、この道を通って成功を手にしているのです。

 たとえ苦手とする分野であっても、たえず繰り返しているうちに、自身の能力が発揮【はっき】されていきます。「継続は力なり」とは人類の経験則なのです。

 そのために心がけるべきことがあります。安易に好結果を期待するような心でいると、どこかで手抜かりが出てしまいます。終わりまで気を緩【ゆる】めないという意識が、望むべき着地点を呼び寄せるのです。

 私たちが何かを手に入れたいと望む時、そう易々【やすやす】と手に入ることは少ないでしょう。取り巻く環境が厳しかったり、選択した手段がうまくいかなかったりと、好結果に至るまでの厳しさは、ごく当たり前のものとして存在します。

 その時に<やってやるぞ>という心の強さで、継続パワーを自分に呼び寄せられるかどうかです。成功者とは、頑固に「継続」を維持した人たちなのです。


今日の心がけ◆私は一貫して続けます。
  

努力ノート

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 接客業に従事するAさんは、お客様と接する際に表情が硬くなってしまいます。改善するための努力をいろいろ試みても、成果が出ずにいました。

 例えば、表情を豊かにするために、鏡を見ながら口角を上げたり、目を大きく開いたりと、一日10分程度の顔面体操【がんめんたいそう】に取り組みました。しかし、思ったような成果が得られないまま、仕事に楽しみを見いだせなくなっていたのです。

 そのような悪循環【あくじゅんかん】が続く中、上司から「努力の過程を記録していくとよい」とアドバイスを受け、「努力ノート」を作成することにしました。

 それからは、表情の改善に費【つい】やした内容や気づいた事柄【ことがら】と共に、接客の中で褒【ほ】められたことを書き出していきました。ノートを眺【なが】めては自分自身を鼓舞【こぶ】し、仕事を続けることができたとAさんは振り返ります。

 ものごとを一貫して継続していくには、困難が伴うものです。成果を自分の目に見える形で残していき、自らモチベーションを上げて、努力を続けていく環境を整えていきましょう。


今日の心がけ◆私は努力を見える形で残します。
 

目は口ほど

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日本には、暗黙のコミュニケーションを表わす言葉として「目は心の窓」「目は口ほどに物を言う」などがあります。あえて口に出さなくとも、目を含めた表情の差違によって、必要な意志が通じるという意味です。

 国際化が進む中で、時として「日本人は明確な意志表示をしない。彼らの曖昧な言葉には当惑する」と外国人から評価を受けることがあります。

 しかし正論をやたらと振り回し、デリケートな内容を相手に遠慮なしに伝えることにも、大きなマイナス面はあります。理性の欠落を招き、最終的には感情的なやり取りに陥る危険性が出てきます。

 日頃から適切なコミュニケーションが図られていれば、お互いの表情や所作だけで、ある程度の意志は伝わります。それと同時に、「しっかりと伝えるべき部分は、曖昧さを捨てて確実に伝える」というスタンスも不可欠です。

 コミュニケーションの手段や程度は、その時と場合に左右されます。状況に応じた手段を選択し、過不足のない対話をしていきましょう。


今日の心がけ◆私は適切な対話で意志の疎通を図ります。
  

かわり行く慣習

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 飲料水を購入する際に、ペットボトルを選ぶ人は多いでしょう。

 日本で、500ミリリットル以下の容量のものにもペットボトルが使えるようになったのは、平成8年のことです。

 当初は、会議などで個別に配られるペットボトル入りのお茶には、コップがつけられたものでした。それまで一般的には、ビンに口をつけて飲料を飲む、いわゆる「口のみ」は下品とされていたからです。

 それが、わずかな期間のうちに、私たちは人前でも平気でペットボトルから「口のみ」をするようになりました。

 手軽に持ち運びができるペットボトルは、熱中症対策の水分補給にも役立つなど利便性も多くあります。その一方で、日本人の美徳【びとく】である恥じらいの所作【しょさ】が失われていくことを嘆【なげ】く声も聞こえてきます。

 私たちの伝統や文化は、意外と早いサイクルで変わっていくのかもしれません。変化を受け入れつつ、良き慣習も失うことのないよう過ごしたいものです。


今日の心がけ◆私は、変化を見極める目を持ちます。  

義を重んじる

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 武士道の徳目【とくもく】の一つに「義」があります。武士道そのものを体現する厳しい徳目で、「卑怯【ひきょう】な行動や不正な行為は恥ずべきもの」といった意味合いです。

 Eさんはこれまで仕事が長続きせず、職場を転々としていました。書物で「義」の意味を知り、これは自分にとって最も必要な内容だと思ったのです。

 仕事を教えてくれた上司・先輩の恩を忘れ、仕事の手を抜いては効率のみを優先するようになり、自己の意見を否定されると、相手を恨【うら】む気持ちが芽生【めば】えるようになりました。そして、職場そのものに嫌気【いやけ】を覚える自分がいたのです。

 職場人としての義とは、いわば「自分自身を甘やかさない心」だと言えます。長く仕事に携【たずさ】わっていると、いつしか多くの物事を自分本位に考えてしまいがちです。自分のモノサシで事を計り、自分の都合を優先させてしまうのです。

 「自分」という人間を外から見た時に、道に外れることをしていないでしょうか。後ろ指を差されるような言動はないでしょうか。「義」を重んじることで、職場生活は、さらに緊張感に満ちたものとなるはずです。


今日の心がけ◆私は、自己を客観視します。
 

見込みある人材

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 食品会社に勤務しているK君は、急な仕事が重なり、複数の仕事をこなさなければならない日々が続きました。ところが、肉体的にも精神的にも疲れがピークに達したK君は体調を崩し、ついにダウンしてしまったのです。

 数日後に出社した際に、「忙しい時期に休んでしまい、みなさんの足を引っ張るような形になって、すみませんでした。休んだ分も取り戻すよう頑張ります」と上司や同僚に謝罪【しゃざい】しました。

 すると、先輩が「K君が几帳面で真面目に仕事に取り組んできたことはみんな知っている。ただし、自分ですべてを抱【かか】え込むところがあるから、これからはもっと仲間に頼るといい」と穏【おだ】やかに諭【さと】してくれたのです。

 誠実な資質を持っているがために、それが「マイナス」に表われる人がいます。しかし本当に誠実な人には、どこかで「プラス」の逆転劇が待ち受けています。

 自身の誠実さを誇りながらも、体調には配慮しながら適度な自然体で仕事に臨んでいきたいものです。


今日の心がけ◆私は誠実に生きます。
 

一千回の登頂

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 静岡県のアマチュア登山家・実川欣伸【じつかわよしのぶ】さんが、昨年、67歳のときに富士山登頂一千回を達成しました。足かけ26年での記録です。

 実川さんは大学時代には山岳部に所属。その後は登山に興味は持たなかったものの、1985年に家族と富士山に登ったことで昔の情熱が甦【よみがえ】りました。そして<人がやらないことをやってみよう>と決意したのです。

 一千回目の登山には、仲間6人も同行しました。田子の浦港【たごのうらこう】を出発し、約21時間かけて登頂を果たして、皆で喜びを分かち合いました。

 富士山に一度登るだけでも大きな体験ですが、一千回登頂とは驚異的な数字です。登山に耐えうるだけの体力も求められるでしょうが、それにも増して強固な精神力がなくては、この偉業【いぎょう】は達成できなかったでしょう。

 目標を決めて一途【いちず】に向かうことで、そこに大きなエネルギーが創出【そうしゅつ】されます。たとえその目標が仕事以外のものであっても、得られたエネルギーは仕事に向かう原動力となります。一年の始まりに当たり、何かの目標を定めてみましょう。


今日の心がけ◆大きな目標を持ちます。

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