中村さんは若い頃に比べて、足腰が弱くなったと自覚しています。
段差のある部分で足がもつれたり、駅から会社まで一度は立ち止まらなければ到着できません。さらには時として、妙に靴が重くなることもあるのです。
こんな中村さんの姿を目にした友人が、「おそらく不摂生【ふせっせい】な生活が、君の足が弱くなった原因だ」と忠告をしました。そして「老いは足からというだろう」と言って、ウォーキングシューズをプレゼントしてくれたのです。
この日を境に、中村さんはできるだけ歩くことに努めました。すると、あれほど苦痛だった通勤が楽になったばかりか、今まで出不精【でぶしょう】だったのが積極的に外へ出るようにと変わっていったのです。
幕末の英傑【えいけつ】,勝海舟【かつかいしゅう】は、馬に乗らず、カゴにも乗らず、とにかく歩いて歩いて歩き回ったといいます。歩くことで体力が堅持できるだけでなく、多くの情報が得られる側面も利点だったようです。
足腰は体を支える根幹です。歩きを疎【おろそ】かにせず、壮健な体を維持しましょう。
今日の心がけ◆歩いて体を鍛えましょう
休日のある日、A氏はレストランへ家族と食事に出かけました。
昼食時とあって、店内は大勢の客で混みあっているにもかかわらず、以前に来店した時にはなかった清々【すがすが】しさを感じました。
<この清々しさはどこから来るのだろう>と思いながら、くまなく店内を見回してみました。するとテーブルが脚まで美しく磨き上げられているのです。
至るところまで清掃が行き届いており、何よりも従業員の応対や掛け合う声が明るく、動きも素早いことに気がつきました。
「お待たせしました。どうぞごゆっくりお召し上がりください」という言葉も非常にていねいで、店員は常に笑顔を絶やしません。久しぶりにA氏と家族は、心地よい気分で食事をすることができたのです。
<明るい心が周囲に響いて、清々しい空気を醸し出す。この店の清々しさの元は、働く人たちの心の明るさなのだ。そして、この店の清々しさがお客様を呼んでいるんだ>と確信しつつ、A氏はレストランを後にしたのでした。
今日の心がけ◆明るい心で働きましょう
小惑星探査機の「はやぶさ」が、昨年の6月に日本へ帰還【きかん】しました。
地球と火星との間にある小惑星「イトカワ」に着陸後、地表の試料を採取【さいしゅ】したカプセルが見事に回収されたのです。
このプロジェクトのマネージャー,川口淳一郎【かわぐちじゅんいちろう】氏は、「地球へ試料【しりょう】を持ち帰ることが我々のゴールだと、全員が理解していた。どんな困難に対しても、スタッフが創意工夫をして自主的に取り組んでくれた」と成功の要因を述べています。
すべての仕事が順風満帆【じゅんぷうまんぱん】にいけば、どんなに楽でしょう。しかしプレッシャーのない状況が長らく続いた場合、もし不意の苦難,困難が身に降りかかった時に、的確な対応ができるでしょうか。おそらく慌てふためくのがオチです。
およそ仕事というものには、ミスなど何らかのマイナス面が出てきます。マイナス面に遭遇【そうぐう】することを想定し、日々の業務に当たっていれば、その後の結果に大きな差が出ます。
目標を共有し、皆で知恵を出し合いつつ、ゴールを目指し続けたいものです。
今日の心がけ◆困難を乗り切っていきましょう
企業の商品は製品、情報など様々ですが、それに加えて「売り」があります。
その「売り」とは「商品の安さ」「品数の多さ」「営業時間の長さ」「駐車場の広さ」「店の清潔さ」「対応の速さ」「挨拶のさわやかさ」など、他社とは違う持ち味やサービスをいいます。
企業セミナーで講師を担当しているK氏は「プラスの『さ』で差をつけよう。我が社の商品と、売りであるプラスの『さ』は何かを確認し質を磨き高めていこう」と、それぞれの「良さ」を伸ばすための説明をしています。
企業の価値を高める鍵は、商品だけでなく「人」も該当します。「礼儀正しさ」「返事の良さ」などは今すぐにも取り組め、「人」の価値を高めます。
朝礼での挨拶、返事などの積み重ねによる良い習慣が、良い社風となって自社の価値を高めることになるのです。
企業は人の集まりです。人の良し悪しが企業の盛衰を決めます。自分の良さを製品やサービスに反映させられるよう、己に磨きをかけていきましょう。
今日の心がけ◆自分に磨きをかけましょう
T氏は「我が家は動物園だよ。騒【さわ】がしいから帰りたくないよ」と友人のY氏に相談しました。Y氏は「どこが動物園なんだ」と聞き返しました。
T氏は「妻はせわしく動いて掃除、洗濯をしているからアライグマ。おしゃべりな長男はうるさいから九官鳥。次男はゴロゴロしているのでトド。祖母は家にこもることが多くなったのでコウモリ。あれ、私は何だろう」と笑います。
Y氏はそれを聞き、T氏に対して「自分のことが一番わからないよな。私は君の奥さんはきめ細やかで良妻賢母なイメージがあるけどな」と言いました。
続けて、「以前、私はある講演会で『出会いを通して自分に出会う』ことが、人と相対する時に大切になると学んだよ」と伝えました。
T氏は家に帰り、妻の姿、子供の姿を見ました。これまでは動物園だと思っていたものの、そう見ているのは自分だけかもしれないと反省したのでした。
今では、家に帰ると「みんなありがとう」と家族への感謝を念じながら、家の玄関を開ける日々を送っています。
今日の心がけ◆私は家族に感謝します。
「朱に交われば赤くなる」という諺があるように、私たちの品行は友人・知人の影響によって、良くも悪くもなるものです。
自分の周囲をよく見てみましょう。冷静に見回してみると、いつも明るく覇気【はき】があり、前向きな生活態度の人が必ずいます。また、そういう人の周りには、同じようなタイプの人が集まっているようです。
「景気が悪い」「取引先が悪い」「上役【うわやく】が悪い」と、自分のことは棚に上げて、悔やんでばかりいるようではいけません。なぜなら、現実の厳しさから目を背【そむ】けてばかりいると、本当の姿を見失いそうになるからです。
後ろ向きの考えにより自己逃避している自分に気づいた時には、より良く生きる方法とは何かを考えてみましょう。
より良い自分を確立するには、前向きで積極的な人を手本にするのが最も有効な方法です。<このような人になりたい>と思えるような人を探し、その人の真似をすることで、自身の向上につなげていきましょう。
今日の心がけ◆前向きな生き方を模索します。
プロ野球日本一に輝いた「千場ロッテマリーンズ」の優勝パレードが、昨年11月に地元千葉県の幕張新都心【まくはりしんとしん】で行なわれました。
大勢のファンの熱狂的な声援に包まれ、笑顔で手を振る選手たちの頭上には、大量の紙吹雪が舞い落ちました。しかしパレード終了後には、その紙吹雪も数分で清掃され、あっという間に元通りの道路になったのです。
後始末ができていない職場は、全体的に効率が悪く、ミスを生じ、最後には信用を失っていきます。事務用品やオフィス機器など、使った物は決められた場所にしっかり収めて、一日単位での明確な区切りをつけていきたいものです。
ミスなどの不始末から脱却する道は、気づいたその場で後始末を実践していくことです。1すぐに 2心を込めて 3完全に、の三点を意識していきましょう。
後始末がキッチリできるようになると、その次への行動がスムーズに運ぶようになります。次の行動に移りたくても、今の行動の扱いが不完全では、次に進めないのは当たり前です。後始末は次なる行動へのステップと心得たいものです。
今日の心がけ◆私は、すみやかに後片づけをします。
「一度認めた例外は、次からは当然の権利になる」という、人間の社会生活を皮肉【ひにく】った見方があります。一度認められれば、原則が原則でなくなるというのです。
私たちは、自分自身の決め事や職場内でのルールを、えてして甘く見てしまいがちです。しかし、その甘さによって、多くの物事が崩れ始めるのです。
心の中の甘い誘惑に負けないような、強靭【きょうじん】な気力・体力づくりが大切です。物事を着実に進めている人は、当たり前のことをキチンと続けています。したがって何かの壁に直面しても、生き方に関する軸がブレないのです。
誠実な姿勢で仕事に臨めば、軸は強固になります。決められた原則やルールを尊重し、例外や妥協【だきょう】を許さない空気を、自分自身や職場内でつくることが肝要なのです。
妥協がもたらす結果に、良いことはありません。普段から簡単な実践を何か一つ心がけて、それをやり続けてみましょう。その「続けている」という自信が、物事に妥協しない強さを養うのです。
今日の心がけ◆私は、妥協を許さない強さを養います。