2011年4月アーカイブ

お菓子のゴミ袋

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 Mさんが電車に乗った際、お菓子のゴミ袋が放置【ほうち】されていました。

 Mさんが車内を見渡すと、乗客は一車両に8人しかいませんでした。Mさんは自ら拾うことなく、<誰がこのゴミ袋を拾うのだろう>と思っていました。

 すると横目で見ながら拾おうか迷っている人、ゴミ袋の存在に気づきながら知らないふりをする人がいました。

 ところが、次の駅で乗ってきた老婦人は、ゴミ袋を見るやいなや躊躇【ちゅうちょ】なく拾っていったのです。静観【せいかん】していたMさんは恥ずかしさでいっぱいになりました。

 人はその場に居合わせた人が多いほど、誰かがやってくれるだろうという先入観が湧【わ】くものです。逆に少なければ、「自分しかいない」といった状況になり、自ら働く人も現われるのでしょう。

 他人の目がある中で、<変に目立ちたくない>と思う人は多くいます。しかし、人任【まか】せにしていては、充実感のある仕事はできません。仕事の幅を狭めないためにも与えられた境遇を<これでよし>と受け止め、己を進化させていきましょう。


今日の心がけ自ら動きましょう
  

サッと目覚める

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 気象情報会社,ウェザーニューズの調査結果によると、冬の朝、目覚めてから布団を出るまでの全国平均は、約13分でした。また、寒い朝、布団から出るのに一番必要なのは「気合い」で、次に「部屋を暖める」の順となりました。

 早起きが苦手な人は、冬に多くなるようです。その冬が去り、季節は春となりました。しかし、朝は自己を発揮する第一歩です。季節に関係なく、さわやかに起き、充実した一日を過ごしていきましょう。

 朝起きの効用を以下に示します。

1 余裕を持ってスタートダッシュが切れる。
2 自然のリズムに合わせることで健康になる。
3 人生を実質的に長く有効に活用できる。
4 頭が冴えて、誰にも邪魔されず仕事に集中できる。
5 「やればできる」という自信がつき、希望が湧いてくる。その他にもたくさんあります。

 眠っていては、何事も達成できません。朝、目覚めたら気合を入れて、喜んで起きたいものです。良いことづくめの朝起きを、毎日のサイクルにしましょう。


今日の心がけ目が覚めたらサッと起きましょう

清掃の効用

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 亡き祖母との思い出を歌った植村花菜【うえむらかな】さんの「トイレの神様」という曲が、昨年よりヒットを続けています。トイレをピカピカにすると美しくなれるという内容が共感を呼んでいます。

 トイレに限らず、環境を掃き、清めるという実践には多くの効用があります。看板制作会社を営むS氏は、3年間、始業前の職場やトイレ清掃を続けています。氏は、この実践で5つの効用を体感したといいます。

 それは、
1 清浄【せいじょう】な職場環境をつくることができた。
2 心のモヤモヤを取り去ってくれた。
3 自身の健康が良好になり、特に排泄【はいせつ】器官が活発になった。
4 事業が発展した。
5 人間関係が円滑に進展した、
です。

 現在では、一般社員も含めて全社員が朝の清掃をするようになり、S氏は会社全体の連帯感が高まったことを強く実感しました。

 清掃には雑念や我儘【わがまま】を払い、謙虚に職務に取り組む姿勢を育む効用があるようです。職場や家庭を自分自身の手で磨き、心もピカピカにしていきたいものです。



今日の心がけ職場をピカピカに磨きましょう

真心を添えて

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 転職して新しい職場に移り、1ヵ月が過ぎたKさん。先輩の助言を得ながら、何とか業務にも慣れてきました。

 上司からも仕事を頼まれるほど、ある程度の信頼を得るまでになりました。さらにKさんは<どうしたら先輩たちのように、お客様に笑顔を提供できるような仕事ができるのだろう>と考えるようになりました。

 そんなある日、Kさんが利用する美容院から葉書が届きました。それは美容院の自社広告でしたが、店長直筆で宛名とメッセージが書いてあったのです。

 Kさんはその丁寧さと真心に感激しました。そして、<今後もこの美容院の常連でいよう>と思うと同時に、真心が笑顔を生み出す要因と実感したのでした。

 私たちは、日々の業務にどれだけ真心を込めて対応しているでしょうか。同じ仕事でも、真心を込めるか込めないかで成果は変わってくるものです。

 以来、Kさんは電話の応対も書類を作成する際も、真心を込めて対応しています。Kさんの周囲には多くの笑顔が溢【あふ】れています。


今日の心がけ真心を込めて業務に取り組みましょう
一日の始まりである朝は、気持ちの良い挨拶を交わしたいものです。
「おはようございます」という挨拶ひとつも様々です。声を出さずにおじぎをする、ボソッとした低い声、言葉を略した挨拶などでは、お互いの意思疎通【いしそつう】が充分に図【はか】れるとは言えないでしょう。

 挨拶のトレーニングとして、
1 姿勢・・・まっすぐに立ち、ゆっくりと呼吸を整える、

2 顔の表情・・・口と舌の運動を多めにしておく、

3 発声・・・高低や強弱をつける。

4 発音・・・口角をややあげて、一つひとつの発音を少し意識的に区切ってみる、

5 声の表現法・・・少し語尾を伸ばしてみる、などが挙げられます。

 挨拶は日常生活の一部で、個々人【ここじん】の人間性が表われるものです。それは相手の体調や性格を感じ取るためのバロメーターともなるのです。

 「相手の明るい挨拶に、思わず大きい声で返した」ということがあるように、相手の心にサッと爽やかな挨拶を届けることが肝要【かんよう】です。

 お客様に対してはもちろん、社内の仲間とも爽やかな挨拶を交わしましょう。


今日の心がけ爽やかな挨拶をしましょう
  

一日一回

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 Kさんは、「今年こそは早起きを身に付けるぞ」と新年の目標を立てました。しかし、いざやり始めたものの、なかなか継続することができませんでした。

 「やっぱり自分には無理かも」と、Kさんは半ば諦【あきら】めかけましたが、職場の先輩のMさんに相談してみようと思い立ちました。

 すると、「君はやる前に『これから何十年先も早起きしなければならない』と意気込み過ぎてはいないかな」と指摘を受けたのです。

 そして、「余計な取り越し苦労をしないこと。『明日の朝ひと朝だけでいい』という気持ちでやってごらん」と教えられたのです。

 その言葉にKさんは、<それならできる>と心がフッと軽くなりました。気分が一新され、翌日からはスッキリと目覚められるようになったのです。「ひと朝だけ」が積もり積もって、もう半年になろうとしています。

 継続とは一日に一回、繰り返し行なうだけです。辛いとか、大変だとか、様々な思いを巡らす前に、「今日一回」を実行しましょう。


今日の心がけ一日一回をやり遂げましょう

相手を読む

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 児童が乳幼児と触れ合う機会を持つ「赤ちゃん登校日」が、各地の小学校で行なわれています。

 言葉の通じない赤ちゃんに対しては、表情やしぐさから思いを汲【く】み取り、自分から積極的に言葉をかけるしかありません。赤ちゃんが相手ということで児童は素直に心を開き、そこからコミュニケーションの基礎を学ぶといいます。

 私たち社会人のコミュニケーションは、さらに複雑です。表情を読む、真意を汲む、妥協点を探【さぐ】るなど、相手の心情を察することが求められます。

 相手の真意を察しようとする努力が、他者との付き合いの中では必要です。相手の気持ちを汲み取れないようでは、優秀な職場人とは呼べないでしょう。

 そのためには、赤ちゃんに接する姿勢と同様に、こちらから積極的にアプローチを図る意識が大切となります。それにより相手も前向きな対応をする下地ができ、良好な関係が構築できるはずです。

 良好なコミュニケーションは、相手を読み取ろうとする意識から始まります。


今日の心がけコミュニケーション力を養いましょう
  

一匹の蛇

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 Mさんは、暖かな陽気のこの季節、頻繁【ひんぱん】にドライブに出かけます。

 ある時、未舗装【みほそう】の山道を走行していると、一匹の蛇に出くわしました。行く手をさえぎるように、車の前をゆっくりと横断していきます。

 何となく嫌な予感がしたMさんは、そこからUターンして山を降りました。後日、同じルートへ車を進めると「路肩崩落のため通行止め」と書かれた看板が立っていたのです。

 偶然の出来事かもしれませんが、道路を横切った蛇は、「この先へ進むことの危険を教えてくれた、ありがたい存在だった」とMさんは振り返ります。

 昔の人たちは、風や雲などの自然の変化や、動物の危険察知能力などのメッセージを逃すことなく、気づきを大切にして危険を回避していました。

 ところが現代では、自然との接点が減少し、数値などの科学的根拠に頼ることでしか、危険を知ることがなくなりました。

 人間も自然の一部という意識で、様々な気づきを自然から得たいものです。


今日の心がけ小さな気づきを大切にしましょう

習慣化させる

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 勉強や運動の習慣をつけようとしても、結局は三日坊主で終わってしまう。そのような経験は多くの人にあるでしょう。

 習慣化コンサルタントの古川武士【ふるかわたけし】氏は、「続けたいと思うことがあれば、意志や根性に頼らず、毎日の歯磨きのように楽々と続けられる状態に導け」と言います。

 何か新しい物事を始めた場合、自分の脳が「いつも通りだ」と認識するように導く流れが肝要のようです。確かに「いつものこと。毎度のこと」と考えられれば、自然に続けられる下地が生まれます。

 ポイントは「楽々と続けられる状態」にあるでしょう。楽にできないからこそ、わずか三日で投げ出したり、根性を持ち出さなければならないのです。

 何事も最初から楽にできるものはありません。ある程度の助走を経て、軌道に乗せることが必要です。反復は物事を軌道に乗せる最大の助走です。

 目標達成に向かうにあたり、無理をした一歩を踏み出すよりも、確実に前へと進むための小刻みな一歩を大切にしていきたいものです。


今日の心がけ物事を継続させましょう

最良のパートナー

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 ある大学病院の受付には、同院が掲【かか】げる基本理念が張り出されています。

 「生命を尊重【そんちょう】し、来院される皆さま一人ひとりの人間性を尊重した、医療倫理の徹底した病院にいたします」に始まり、「来院される皆様の早期治癒【ちゆ】を目指して、最良のパートナーとなるよう、5Sの精神で奉仕します」で締められています。
 
 同院の5Sとは、1セーフティ(安全)2シンセリティ(誠実)3サービス(奉仕)4スピード(迅速)5スマイル(微笑み)です。

 病院側にとっては、当然の事柄【ことがら】かもしれません。しかし患者側とすれば、このような理念を目にすることは嬉しく、病院に対する信頼度もアップします。

 この「5Sの精神」は、多くの職場にも当てはまるでしょう。また「最良のパートナーになるよう」という理念は、どのような職種であっても忘れてはならない志といえます。自己満足に終始した仕事に発展はありません。

 お客様あっての仕事であり商売です。お客様に良きパートナーであると認められるよう、5Sを中心とした努力と精進を続けたいものです。


今日の心がけお客様の良きパートナーとなりましょう
  

 本誌「職場の教養」は、職場における「活力朝礼」の実現を目的としています。併せて平成22年1月号より、巻末に「本誌活用の手引き」と題して、終礼の進行マニュアルを付記しています。

 その掲載【けいさい】をきっかけとして、A社長は終礼に積極的に取り組み始めました。実施して数ヵ月後、いくつかのプラス面が見えてきたのです。

1 その日にあったクレームを社員全員で共有できる、
2 各人の業務成果を確認することで、それを明日以降の連携につなげられる、
3 何となく居残って仕事をしていたのが、終業の区切りが明確につけられるようになる、などです。

 朝礼にしても終礼にしても、その実施の目的は「仕事に活かす」というものです。特に終礼は、皆が「後始末」「整理」の意識を持ち、共に今日一日の幕を引く大切な式であるといえるでしょう。

 終礼を実施している企業は、まだ一握りかもしれません。A社のような効果を求めて、終礼に取り組んでみてはいかがでしょう。


今日の心がけ終礼に取り組みましょう

メリットを提供する

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 デメリットを嘆【なげ】いているだけでなく、活かそうと努力する企業が増えています。

 東急電鉄【とうきゅうでんてつ】は通勤時間帯の混雑緩和【こんざつかんわ】のため、「田園都市線早起き応援キャンペーン」を実施しました。

 一定条件のもとで、ラッシュ時間前に乗車をすると、協賛企業の特典クーポン券がメールで配信されるという企画です。

 また来店者の少ない早朝に商品を割引販売して集客を図るコンビニや、土・日に早朝セールを実施して、新しいお客様の開拓をする靴専門店もあります。

 普通の対応をしているだけでは、他社との差別化は鮮明になりません。様々な「打つ手」を考えることは、企業に新たな息吹を生じさせます。

 企業の抱える課題を、お客様にメリットがあるサービスとして提供する。新たな視点で業務を見直す中に、チャンスも芽生えるものです。

 マイナスをプラスに転じさせるためには、ある程度の思考転換が必要です。頭を柔軟に働かせ、自社の商品やサービスを活性化させていきましょう。


今日の心がけ◆チャンスを自らの手で生み出しましょう

予習

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 保険代理店のA社は、一年半前に活力朝礼を取り入れました。

 朝礼を行なうようになって変化したのは、社員一人ひとりが責任ある行動を取るようになったことです。

 A社での『職場の教養』の活用法は、社長も含め全社員が日替わりで輪読リーダーとなり、感想を発表するものです。そのため、前月に担当を決めています。

 翌月に担当があるA君は、<自分が当番となる日の内容を知っておこう>とページを開きました。そこには、初めて目にする言葉が書いてあったため、その意味を辞書やインターネットで調べました。

 A君は、「感想を発表するにあたって、いろいろ調べることにより、今まで知らなかった事柄を学べます」と言います。

 仕事においても、これから行なう業務を事前に調査し、よくその内容を知ることは、職場人として大切です。

 物事に向かう時には、事前の準備を完全にして臨みたいものです。


今日の心がけ◆事前の準備をしっかりしましょう

過ぎたる危うさ

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 「過ぎたるは、なお及ばざるが如【ごと】し」という言葉があります。

 「物事は行き過ぎてしまうと、たとえ良いことであっても全体の調和を乱すことになりかねない。それは不足ぎみや不満足な状態と変わらない」という意味です。

 その昔、中国に孔子【こうし】の高弟で子貢【しこう】という人がいました。子貢は「甲【こう】と乙【おつ】のどちらが賢明でしょうか」と門弟【もんてい】二人の人物評価を孔子に尋【たず】ねました。孔子は「甲のほうは度が過ぎており、乙はやや物足りない」と答えます。

 子貢は「では甲のほうが優秀だということですね」と問い返します。しかし孔子の答えは「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」という意外なものだったのです。

 自らを向上させる意志は大切です。しかし、そのための想いや行動が行き過ぎると、かえってマイナスにならないとも限りません。特に仕事や人間関係においては、「足らないよりは余るぐらいがいいだろう」では大雑把【おおざっぱ】すぎるのです。

 心を常に中庸【ちゅうよう】に保つためにも、日頃から「自身の言動」を冷静に振り返る習慣を身につけていきたいものです。


今日の心がけ物事のバランスを考慮しましょう

無意識の仕草

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 Mさんには、「フーン」と言って、せっかちに頷【うなず】きながら人の話を聞くクセがありました。しかしMさん自身は、それに気づかずに過ごしてきました。

 ある日の社内会議で、Mさんが所属する部署と他部署の意見が対立しました。Mさんは、いつものようにせわしなく頷きながら、「フーン」を連発していました。

 最終的に所属部署の意見が通り会議が終了しましたが、ほどなくMさんは上司に呼び出されたのです。そして、「君は私に反対意見を持っているようだが、それならば会議の前にはっきり言いたまえ」と、思わぬ指摘を受けました。

 上司の意見を支持していただけに、Mさんは驚いてその訳を聞きました。すると、反対意見に対して、Mさんが何度も「フーン」と頷いていたというのです。Mさんは初めて自分のクセを知り、誤解であることを伝えました。

 意識せずに行なう仕草は、時に強いメッセージ力を持つ場合があり、思わぬ誤解を与えます。「無くて七癖【ななくせ】」と言われますが、不意に出てしまう自分のクセをチェックし、良好な人間関係を築きたいものです。


今日の心がけクセを改めましょう

異質の吸収

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 職場には、年輩者、若年【じゃくねん】者、社長・専務といった役員、部長、課長、一般社員など、様々な人がいます。

 職務に携【たずさ】わる以前に大切な事柄として、共に働く人たちとの関係があります。十人いれば十人との関係が発生します。

 人は相手の美点よりも、欠点のほうに目が向きがちです。誰しも欠点ばかり見ていると、責め心が湧【わ】き、軽蔑【けいべつ】する思いが生まれてきます。それにより自分の心が貧しくなり、人間関係に不和が生じ、次第に身も心も荒【すさ】んでしまうのです。

 職場の人間関係を円滑にするための方策の一つが、「異質の吸収」です。ここでいう「異質」とは、自分にない相手の良い面のことです。

 世代や立場、性別などの違いに捉われず、職場に関わる多くの人から、自分にない良い面を積極的に学んでいくのです。

 人の好みや相性を超えて「異質の吸収」を続ける時、仕事の知識だけでなく、人間的な器を広げる学びとなっていきます。


今日の心がけ◆相手の良さを見つけて大いに学びましょう

立て直し

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 不況にもかかわらず、高い就職率を誇るT高校。大手企業からも求人が来る同校は、15年ほど前は荒れた風紀【ふうき】の学校でした。

 その立て直しのために、教師が生徒に指導した一つが挨拶【あいさつ】でした。来校者への挨拶はもちろん、職員室に入る際には、ノックした上でクラスと名前と用件を述べさせます。声が小さければ、妥協【だきょう】なく何度もやり直しを求めたのです。

 就職面接試験前の練習も、同様に繰り返されます。しかし元気のよい挨拶は、面接専用ではありません。

 同校を訪れる企業の求人担当者は、生徒に一様【いちよう】に「こんにちは!」とお辞儀をされ、<礼儀正しさは意図的につくったものではない>と確信するそうです。

 いつの時代も、人間関係の基本は挨拶です。現代は、近隣の人との挨拶も交わしにくい状況ですが、だからこそ「挨拶のできる人」が求められるのです。

 先手で発する明るい挨拶を心がけ、今以上に活気あふれる職場づくりを目指していきましょう。


今日の心がけ挨拶を徹底しましょう

名物車内アナウンス

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 通勤にワンマンカーの路面電車を利用しているAさんが、毎朝楽しみにしている運転士がいます。

 その運転士は、その都度【つど】流れる自動アナウンスに加えて、その時々の状況にあったアナウンスをお客様に伝えているのです。

 小学生には「車に気をつけて。先生の言うことをちゃんと聞いてね」とか、サラリーマンには「今日も仕事頑張って。行ってらっしゃい」など様々【さまざま】です。

 朝の混雑した車内では皆イライラしがちですが、そのアナウンスの声で車内の空気がいつも和み、Aさんは毎朝癒【いや】されているというのです。

 マニュアルに則った基本行動を、きちんと身につけることはもちろん大切です。しかしそれと共に、状況に応じて適切な対応をすることは、<お客様によりいっそうの満足と喜びを提供したい>というプロ意識の表われといえるでしょう。

 日々の仕事に慣れすぎて単なる作業になっていないかを自問し、一工夫も二工夫も加えて真の働きを築き上げていきましょう。


今日の心がけ仕事に工夫を加えましょう

責任は自分に

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 人生にはトラブルがつきものです。突如として片づけなければならない問題が、家庭でも職場でも起こりうるものです。

 トラブルが起きると、逃げ出したくなったり、焦りが生じたりします。また、<原因は自分にあるのではなく、他人や周囲の環境にあるのだ>と開き直ることもあります。それではなかなか解決には至りません。

 トラブルを解決するには、そのような私情【しじょう】を捨てて、問題が起きた原因を理解しようと努める姿勢が大切です。

 私情を捨てるとは、責任は自分にあると覚悟を決めることです。至らないのは自分であり、間違いの原因は自分にあると受け切った時、トラブルは収束へと向かうものです。

 「トラブルは尊いもの」と理解し、自らが解決に向け尽力しましょう。その時、自分自身が一回り大きな人間に成長し、さらに、周囲の人たちにとってもプラスになることでしょう。


今日の心がけ◆責任は自分で受けましょう
  

立つ鳥跡を濁さず

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 建設会社の営業社員として、15年のキャリアを持つKさん。

 社内での期待度も高いのですが、この一年、プレゼンテーションでの失敗、大口契約の解消など、問題が多発しました。

 これまで順風満帆【じゅんぷうまんぱん】に職務を遂行してきただけに、Kさんのショックは大きなものがありました。そのような中、上司より「日々の業務や大きなプロジェクトを終えるたびに、事後処理をしっかりしているかな」と問われたのです。

 Kさんは、それなりに処理はしていましたが、「しっかり」との言葉に対しては、「やっています」とは答えられませんでした。

 上司より、「一時間、一分、一秒の積み重ねで人生が構築されていくんだよ。その時、その場で処理をしないことが、大事な場面でのミスにつながったのではないかな」と言われたKさんは、顔が熱くなる思いがしました。

 以来、Kさんは「立つ鳥跡を濁さず」を肝に銘じ、事後処理を明確にする実践に磨きを掛けていったのです。


今日の心がけ◆事後処理に徹しましょう

仕事のありがたさ

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 「働くことができるのは幸せである」「働く職場があり、仕事があることは本当にありがたい」。Aさんは、病気のために働けない人や、失業後ようやく定職に就いた人が述懐【じゅつかい】していた、これらの言葉を耳にしました。

 厳しい現状を垣間見たAさんは、自身を振り返りました。そして、<これまで自分は、仕事に対して真剣に打ち込んでいたか。働ける環境に深く感謝していただろうか>と、強く反省したのです。

 そのような中、Aさんは「目が覚めたらサッと起きる」「職場には遅くとも7時までには出社する」という目標を掲げ、チャレンジしようと決意しました。

 Aさんは目覚めると、まず早朝の冷気の中で、大自然の恵みと今ある環境に感謝をします。すると、心地よい緊張感と充実感が満ちてきて、仕事や生活に対していかに横着でいい加減であったかを、改めて痛感するのでした。

 今日も目の前に仕事がある皆さん、そのありがたさにもっと深く感謝して、真剣に働き抜いていきましょう。


今日の心がけ◆働ける環境に感謝しましょう
  

道具を活かす

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 仙台・伊達藩の正史【せいし】『貞山公治家記録【ていざんこうちかlきろく】』に、「武道具は形状、素材もさることながら、自分の体に合うことが先決である」と記されています。

 同書には、道具の本質が書かれており、また、鎧兜【よろいかぶと】を作るにあたっての伊達政宗のアイデアなども記されています。

 日産自動車製スカイラインの開発に携わり、「スカイラインの父」と呼ばれた故,桜井眞一郎【さくらいしんいちろう】氏は、少年時代に大病を患【わずら】いました。療養中の自然に親しむ生活体験から、「自然の摂理【せつり】に則【のっと】り、人間の血の通った車造り」を信条としました。

 「物」や「道具」は長い歴史の中で培われてきた英知の結集であり、人間の能力では不可能な働きを可能にし、生活を豊かにしてくれます。私たちに便利さや快適さを提供してくれる、大切なパートナーともいえるでしょう。

 人は膨大な数の「物」や「道具」に支えられています。それら一つひとつには、作った人の工夫が凝らされ、思いが込められています。日々、何気ない働きをしているそれらに、感謝の気持ちを馳【は】せる心を持ちたいものです。


今日の心がけ◆道具を大事にしましょう

正論

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 Y氏は路上喫煙【きつえん】禁止地区で喫煙している男性を目にしました。

 人目を気にすることもなく、傍若無人【ぼうじゃくぶじん】にタバコを吸い続ける男性の態度に腹を立てたY氏。大きな声で「おいお前、タバコを消せよ!」と注意をしました。すると男性は不機嫌そうにタバコを投げ捨てたのです。

 不快な思いを消せないY氏は、友人にその経緯【けいい】を伝えました。すると友人からは「Y君の主張は正しいけれど、その言い方だと相手が気を悪くするのも分かるよ」という言葉が返ってきたのです。

 友人の率直な意見に対してY氏は、注意した時の自分の言動と表情を思い起こしました。顔は強【こわ】ばり、態度が高圧的になった自分に気づかされました。

 自分は正しいことを言っているという思いから、<相手を責める心が先行し、感情的になってしまった>と、Y氏は反省をしました。

 「自分は正しい」は、時として「相手は間違っている」という責め心を呼びます。「正論」が相手を制する「制論」とならないよう、充分に留意したいものです。

 
今日の心がけ◆配慮ある言葉で伝えましょう
  

決めつけない

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 毎日の業務に追われていたKさんは、久しぶりに有給休暇を申請しました。

 ところがその前日、急ぎの仕事を抱えていた同僚が急病となり、Kさんは休暇を返上して出勤することになったのです。

 Kさんは同僚の力になりたいと心し、しっかりと代役をこなそうと頭ではわかっているものの、どうしても思うように仕事が進みません。

 その理由にKさんは程なく思い至りました。日々の疲労が蓄積されていただけでなく、<久しぶりに休めるぞ>と決めつけていたため、心身の重みが抜けないでいたのです。

 こうした「安易な決めつけ」が、自分のクセであり短所であると知ったKさん。これまでも何かにつけて先々を決めつけ、失敗していたことを反省したのでした。

 結果を期待して物事に取り組むと、その期待に反した事柄に遭遇した際、スムーズに事が運ばないケースがあります。

 変化に動じない平常心を養い、「もしも」の事態に対応したいものです。


今日の心がけ◆物事を決めつけないようにしましょう
  

忘れ得ぬ人

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 人には人生の中で大事な日が存在します。大切な人が亡くなった日、つまり「命日」が挙げられるでしょう。

 人がこの世から去った日は、その人に対する恩と感謝を有する人にとっては、忘れ得ぬ日です。忘れられない日がある限り、そこに忘れられない人が存在するといえます。

 故人の供養として、仏教では祥月命日を設けています。月ごとに故人を偲ぶ機会が設けられているのです。それはあたかも、忘れ得ぬ人と互いに語り合う場といってもいいかもしれません。

 生前に様々な形で影響を受けた人には、逝去してなお教えを請うことができます。今は亡き方々の姿を自分の目の前に置き、自分自身を律する糧とすることができるのです。

 大切な人の思いに応える一生を貫くためにも、「あの人が今の自分を見たらどう思うだろうか」と自問自答をしていきたいものです。


今日の心がけ◆大切な人の思いに応えましょう
  

後始末の徹底

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 職場での働き甲斐は、「お客様からの笑顔」「自己を成長させる良き上司,同僚に恵まれている」など、人それぞれです。働き甲斐をいっそう高める実践の一つに後始末があります。

 Aさんは、家屋のリフォームやビルメンテナンスを扱うT社に勤務しています。Aさんにとっては、自社であるT社よりむしろ、お客様の自宅やメンテナンスを注文してきた会社が、そのまま職場になることが多くなります。

 作業ではゴミや廃棄物が少なからず発生します。T社がお客様から高く評価され、リピート率が高い理由に、作業場の後始末と掃除の徹底があります。

 内装工事、室内リフォームの仕事が終わった際には、作業場の掃除に留まらず、コピー機などの事務機器に付着した手の脂跡まで拭い取る徹底ぶりです。もちろん、現場で発生したゴミは自社に持ち帰ることも忘れません。

 Aさんの後始末のモットーは「使う前より美しく」です。私たちも感謝の心を持って整理整頓に努め、働き甲斐を高めていきましょう。


今日の心がけ◆後始末を徹底しましょう

成功に近道はなし

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 書店には、資格試験の合格対策や会社で出世するための方法など、成功するためのマニュアル本が並んでいます。

 出世したいとか成功したいという気持ちは、多かれ少なかれ誰もが持っているでしょう。

 なかには、他人が出世したり成功したりすると「あの人はなんて運がいいんだ」と言ってうらやむ人もいます。

 しかし、人は運だけで成功できるものではありません。まして出世や成功は、マニュアルを知るだけで得られるものでもないのです。

 出世や成功は突然やってくるものではありません。日々の地道な努力の積み重ねがあってこそ、おのずともたらされるのです。

 まずは、自分の果たすべき役割を決しておろそかにせず、今やるべき事柄に全力を尽くすことが肝要です。一歩一歩着実に、そしてひたすらに成功への階段を昇っていきましょう。


今日の心がけ◆今やるべきことに全力を尽くしましょう
  

戒める言葉

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 社会人の能力を示す言葉に、「人間力」があります。「人の心を動かし引き寄せる力」など、人が社会で生きるために必要な総合的能力を指します。

 旧住友銀行の頭取を長く務めた故,堀田庄三【ほったしょうぞう】氏が、人間力を高めるための社員への訓示【くんじ】として、説き続けた言葉があります。

 それは「おこるな,いばるな,あせるな,くさるな,まけるな」の五項目で、頭文字をつなげて「おいあくま」と称し、自らも戒めたといいます。

 確かに、怒れば周囲の雰囲気は萎縮【いしゅく】し、威張れば周囲からの反発が生じ、焦ればミスが生じやすくなります。さらに、腐れば消極的になり、負ければ自信喪失【じしんそうしつ】につながるでしょう。

 堀田氏の唱えた五項目は人間の弱さを克服するための教訓であり、人間関係や社会において、とても重要なことだと言えます。

 人は順調にいくと慢心【まんしん】し、うまくいかないと落ち込みやすいものです。常に自己を戒めて、人間力を高めていきましょう。


今日の心がけ◆自戒をもって人間力を高めましょう

休眠打破

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 4月に入り、桜前線【さくらぜんせん】が日本列島を北上中です。桜は翌春【よくしゅん】咲く花芽【かが】を夏に形成します。いったん休眠に入った花芽は、冬季に一定期間低温にさらされて休眠から覚めます。このメカニズムを休眠打破といいます。

 桜の開花には、このような冬の低温が重要な要素となります。寒さという厳しい刺激が、花を眠りから目覚めさせるのです。

 イギリスの詩人、パーシー・シェリーの詩に「冬来たりなば、春遠からじ」という一節があります。今は厳しい逆境に立たされていても、じっと辛抱【しんぼう】して耐え抜けば、やがて幸福が訪れるという希望の気持ちを表現しています。

 「自然は真理の百科事典」ともいうように、人生も企業経営も自然から学び得ることが多々あります。人も企業も厳しさから目をそらし、現状に甘んじていては、発展どころか後退してしまいます。

 現状の厳しさや苦しさを「成長発展への礎【いしずえ】である」と自覚し、自己を目覚めさせるための刺激であると肯定的に捉【とら】えたいものです。


今日の心がけ◆厳しさに立ち向かいましょう

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