今年の世界アマチュア囲碁選手権の日本代表は、歴代最高齢の八十四歳で、厳しい国内予選を勝ち抜いた平田博則さんでした。
平田さんは五十四歳の時が初出場。平成七年の第十七回大会では、六十九歳で世界一に輝いています。今大会では世界の伸び盛り相手に五位と健闘しました。
昭和十八年にプロ入りの資格を得たものの、戦争の激化で断念。その後、数学者として高校や大学で教鞭をとったという経歴を持つ平田さん。今回の世界五位に満足せず、「情けない・・・。人生最大のミスです」と失着を嘆きました。
平田さんの「実力を培う意欲」「常に若々しく強靭な挑戦意欲」「謙虚な反省意欲」は見習うべきものが多くあるでしょう。意欲あるところに道は拓けます。意欲が湧かないのであれば、意欲を湧き立たせる術を考えることが必要です。
平田さんの< 情けない・・・ >という意識は、将来に向けた更なる意欲の源として力を持つはずです。<;まだ終わらない>という向上の意識が心の中にある限り、意欲は枯れることはありません。新たな意欲を喚起させていきましょう。
今日の心がけ;挑戦意欲を燃やしましょう
東日本大震災の発生により、私たちの生活は大きな変化を求められ、多くの問題が提起された一年でした。
中でも電力が不足し、節電の対策が様々に講じられた点は、環境問題への意識の高まりとして、震災がもたらした一面だといえるでしょう。
テレビ放映がデジタル化に切り替わる時期とも重なり、省電力のテレビに買い替えて、節電に貢献したという事例も多いでしょう。家電の分野では、省電力に関する大きな進歩がうかがえます。
しかし端末機器の性能は向上しても、機器まかせの節電には限界があります。それを使う人の意識によってコントロールできる「必要のない時には電源を入れない」という心がけこそ、節電を強化する最大のポイントなのです。
多くの機械類やシステムが自動化されている現代では、それらへの過剰な依存が大きな失敗の要因にもなりかねません。人間の適切な意識を加え、意図する結果を出してこそ、その性能を引き出したといえるでしょう。
今日の心がけ;機械への過度な依存に注意しましょう
様々な酒宴の中で、後味のよい酒宴はどのくらいあるでしょうか。
職場における酒宴の席では、普段交流する機会のない人たちが席を移動して、上下の別なく語り合いたいものです。今の時期でいえば、忘年会などは今年一年のお互いの無事と健闘を称え労うのが、目的の一つともいえるでしょう。
ところが最近では、上司に対等の話し方をしたり肩をペタペタ叩くといった、節操のない部下の姿が見受けられます。また部下を注意できない上司が、酔いに任せて烈火のごとく叱責するなど、本来の目的を失った席も少なくないようです。
話し慣れない者同士で話題を摑み切れず、つい飲酒が増してしまった上での失言が重なり、悪しきムードがつくられてしまう場合もあるようです。
しかしそれらは、お酒のせいではありません。日頃から他人を思いやり、より良い人間関係を築く努力が欠けているのです。
誰もが「やってよかった」「今年もありがとう」と思えるような、穏やかで清々しい忘年会で今年を締めたいものです。
今日の心がけ;後味の良い場をつくりましょう
姿勢の悪さが印象にも悪影響を及ぼしているMさん。社内で、「もっと明るく」「お客様の前ではシャキッとしよう」と繰り返し指摘を受けていました。
良い姿勢を保とうとするほどに肩が強張り、腰にも力が入るため、すぐに苦しくなり、やがて元の姿勢に戻ってしまうのです。Mさんは次第に、周囲の指摘やお客様の視線に苦痛を覚え始め、すべてに気力を失いかけていました。
習慣化した姿勢はなかなか直せず、Mさんは< 僕には無理だ >< どうして皆はわかってくれないのだろう )と、自分の世界に籠っていったのです。ある日、Mさんの心の状態を察した上司が、Mさんを誰もいない部屋に呼び出しました。
そして、「骨盤をやや後ろに引き、一旦かかとを上げて静かに下ろした重心で」「胸を張りすぎず、顎を引き呼吸をゆったりと」と、端的に指摘をしたのです。
それは今まで何度も聞いていたことでしたが、不思議と背筋は伸び、無理なく颯爽と歩くことができたのです。Mさんは、正しい姿勢について自分勝手に解釈し、的はずれの努力をしていたことを知ったのです。
今日の心がけ;的を射た努力で自信をつけましょう
M講師はセミナーで、受講者五十人を10グループに分けて、日本地図を描かせました。各人が記憶をたどりつつ話し合いながら描き上げましたが、与えられた時間内に完成したのは、たったの1グループでした。
頭でイメージした地図をサッと描ける人は、普段から注意力・観察力・記憶力を高める、何らかのトレーニングをしている人だとM講師は言います。
毎日通う通勤路でも、ただ歩いているだけでは、駅から職場までの情景を覚えることはできません。ましてや地図に表わすことなどできないでしょう。
M講師によると、優秀なセールスマンは、得意先までの地図だけでなく、建物内の見取り図までも描き上げるといいます。彼らは常に効率の良い訪問をし、結果として優れた販売成績を達成するというのです。
まずは自宅から駅まで、あるいは自社から取引先までの地図を、一斉に描いてみてはいかがでしょう。それらを実際の情景で確認して、注意力・観察力・記憶力を高めていきましょう。
今日の心がけ;観察力を高めましょう
仕事をする上で意識しなければならないことに、「時間厳守」が挙げられます。
あるアンケート調査によると、出勤時間や人との待ち合わせ時間に遅れる原因で一番多いのは、「準備が遅く出発が遅れる」です。その他に「目的地までの所要時間を見誤る」や「早起きが苦手」「車が渋滞に遭う」などがあります。
言い訳としては「道が混んでいた」「電車が遅れた」「家庭の事情で出発が遅れた」「忘れ物を取りに戻った」「出がけに電話がかかってきた」など様々です。
昨今は携帯電話の普及により、待ち合わせ相手や関係者とすぐに連絡が取れることで、時間を守るという意識が低下したという声も聞かれます。
しかし、仮に連絡が取れても、自分がその場にいないことに違いはありません。「連絡の取りやすさ」と「時間を守らない」とは別問題です。
時間にルーズな人は、自分のみならず人の時間をも無駄にし、時には相手からの信用を失うことにもなりかねません。社会人として「守るべき時間は守る」というルールを、お互いに再確認していきたいものです。
今日の心がけ;時間を守りましょう
T社では外回りの営業社員が多く、日中に会議を開いても全社員が揃いません。そこで月に一度、早朝に全体会議を行なっています。ある月、いつも使用している社内の大会議室が、改装のために使用できなくなりました。
そのため、車で五十分ほど離れた支店の会議室を使うこととなりました。しかし支店の駐車場は狭く、自家用車での移動は禁止です。そこで大型バスをチャーターし、全員が同乗することになったのです。
庶務担当のH氏は、バス会社に「七時から会議を始めるので、六時には本店にバスを到着させて下さい」と依頼。前日にも電話で確認し、準備は万全でした。
ところが当日の六時を過ぎてもバスは到着しません。慌てたH氏がバス会社に電話をすると、「夕方六時のご予約かと存じますが・・・」と言われました。結局、交渉の末、何とか代替バスを手配でき、大幅に遅れて会議はスタートしました。
当事者は「早朝」だと理解していても、バス会社では「夕方」と解釈したのでしょう。< 確認は二重三重にしなければならない >と痛感したH氏でした。
今日の心がけ;十分な確認をしましょう
K主任の下に新人のNさんが配属されました。しかし、K主任がていねいに業務を教えようとしても、Nさんは素直に聞き入れません。指示をしてもすぐに「ハイ」と受けないだけでなく、納得できない時には逆に食ってかかるのです。
K主任は< どうしてこんなヤツを採用したのだろう。それも、よりによって私の部下につけるなんて>と、苛立ちを隠せませんでした。思い余って、上司に相談をすると、中国の墨子の故事を話し始めたのです。
「中国に『良弓は張り難し』という言葉がある。強くて良い弓は弦を引きしぼるのが難しいが、うまく使いこなせば矢が遠くまで飛び、深く突きささる」と言い、声を強めて続けました。
「多くの志願者の中からN君が採用されたのは、我が社を伸ばすのに相応しい人物だと見込んだからだ。そしてN君を伸ばす力があるのは、君しかいないと託されたのだよ。N君をみごとに育て上げて、二人そろって大きく伸びてはどうか」
K主任は、自分に託された思いをかみ締め、素直に働き抜こうと決めたのです。
今日の心がけ;力を蓄えて大きく伸びましょう
昨今の景気の状況下で、航空機のドリンクサービスが変容しています。A社では従来通り無料ですが、B社では日本茶などを除き有料となっています。
ある日Tさんは航空機で旅行をした際、離陸直後に眠ってしまいました。飛行中、目覚めて周囲の席を見ると、ドリンクサービスが終了した後でした。
以前は座席前に貼られていた「おめざめですか。お休みのようでしたのでサービスを控えさせていただきました。おめざめの際、お気軽にお申し付けください」という内容のステッカーも、その日は貼られていませんでした。
少しして、「お休みのお客様には声をおかけいたしませんでしたので、お気軽に乗務員にお声かけください」とアナウンスされました。Tさんは奥の窓際の席に座っていたため、< まあ、いいか >と遠慮して諦めてしまいました。
ドリンクが欲しければ、声をかければいいのかもしれません。しかし、そうできない乗客もいるのです。Tさんは乗務員からひと言、「お飲み物はいかがですか」と声をかけてほしかったと、残念な気持ちで空港を後にしたのでした。
今日の心がけ;心に届くサービスをしましょう
皆さんの職場では、始業前の清掃を実施しているいでしょうか。
清掃が行き届いている職場は、働く人たちの気持ちが違います。明るく、朗らかで、喜びに満ちています。さらには、自ずとお客様が集まってきます。
逆に各所に荷物が積み上げられ、雑然としている職場があります。何年も手がつけられた形跡のない書類の束があったり、部屋の隅には埃が積もっていたりしないでしょうか。このような職場は、次々と仕事上の問題が起こりかねません。
真心を込めて清掃をすると心が浄化され、自然と明るくなり、また気づきもよくなるものです。職場の雰囲気は明るくなり、個人の働く意欲も高まっていきます。清掃はあらゆる面でプラスの効果を得ることができるのです。
職場内で清掃分担を決めて交代で行なうもよし、全員で一所懸命に取り組むのもよいでしょう。普段、手の届かない所も計画的に集中して清掃し、社外も範囲を決めて取り組み美化活動に努めていきましょう。
始業前の清掃を通じて、気持ちの良い仕事のスタートを切りたいものです。
今日の心がけ;心を込めて清掃しましょう
冷え性で寒さが大の苦手なK子さん。子供の頃から< 冬が来なければいいのに >と思うほど、冬が近づくと共に心も体も縮こまっていました。それによって、仕事や家庭生活にも支障をきたすほどでした。
辛そうな様子のK子さんを見かねた祖母は、「嫌うものには悩まされるよ。寒さを嫌わずに、むしろ寒さに感謝して喜んで受け入れてごらん」と諭してくれたのです。
さらに「嫌っていると、いつまでも苦しめられる」「冬の寒さは大自然の大きな恵み」と教えてくれ、、考えてもみなかった内容にK子さんはハッとしたのでした。その日から「寒さよ、ありがとう」と感謝の言葉を出すようにしました。
すると、あれほど辛かった寒さが、それほど< 寒い >と感じられなくなったのです。その年の冬、K子さんは初めて苦痛を感じずに過ごすことができました。
祖母の教えを通して、嬉しい冬の体験ができたK子さん。今年の冬も喜んで寒さを迎えようとしています。
今日の心がけ;寒さを喜んで受け入れましょう