倫理法人会: 2009年8月アーカイブ

ありがたい注意

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Kさんは、プレゼンテーションのリハーサルをしていました。すると同席していた部長より「言葉のイントネーションが違う。それから、もっとハキハキとした口調で説明するように」と注意を受けました。

 そこで気をつけて発声していると、さらに「この部分は数値化して説明すべきだ」「資料は見やすく簡潔に」と、徐々に注意が増えていきました。

 次第に、Kさんは<こんなに指摘を受けるのでは、この仕事は自分には不向きなのではないか>と思うようになりました。

 思いあぐねて先輩に相談すると、「イントネーションにしても口調にしても、一つずつ改善しているじゃないか。できない者に注意はしないよ」と言われました。そして「注意と思わずに激励と思ったらどうかな」と助言されたのです。

 Kさんは<自分を信頼して激励してくれているのだ>と思い直してみると、部長に対して、深い感謝の念が湧いてきたのです。

 前向きな気持ちになったKさんのプレゼンテーションは、大成功を収めました。


今日の心がけ注意を激励と受けとめましょう  

脳の棚

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企業が競争力をつけるためには、新しい商品やサービスを生み出すことが必要となります。

 経営コンサルタントの小宮一慶【こみやかずよし】氏は、発想力を高めるために次の三ヵ条を提案しています。

1脳の中の棚を増やす。いろいろなことに関心を持つことで、脳の中には多くの棚ができ、さらに、棚の中に関連した情報が入ってくると、それが刺激となってアイデアが閃【ひらめ】きやすくなります。

2友人、知人を増やす。家族や恋人との付き合いで、その人に関する事柄に目が向くようになり、新しい情報に興味が湧くようになります。

3テレビのチャンネルを一つずつ見てみる。自分が見るつもりのない興味のない分野の番組を見ることで、関心の幅が広がるきっかけともなります。

 発想力を高めるためには、こうした方法を日々積み重ねていくことが大切です。普段からさまざまな事柄に関心を持ち、自己の活性化に努めていきましょう。


今日の心がけさまざまな事柄に関心を持ちましょう  

成功への学び

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大正・昭和期の出版人の一人であり、講談社の創業者でもある野間清治【のませいじ】氏は、人生を成功に導く条件として、「事上練磨【じじょうれんま】」「人上練磨【にんじょうれんま】」「書上練磨【しょじょうれんま】」の三要素を挙【あ】げています。

 「事上練磨」とは、自分が体験した成功・不成功の中から学んでいくという方法です。なぜ事柄がスムーズに運んだのか。反対になぜスムーズに運ばなかったのか。双方からしっかりと学ぶという意味です。

 「人上練磨」とは、人の体験や経験からも学ぶという方法です。自分の経験することはどんなに経験を積んでもあくまで一人分であり、十人の体験や経験談を聞けば十倍の人生経験を体得することができます。

 「書上練磨」とは、書籍から学ぶという方法です。その道を究めた人々の書には、含蓄【がんちく】のある内容が網羅【もうら】されている場合が多く、知的向上に大いに役立ちます。

 学びの対象は、私たちの周りにいくらでも転がっています。「我【われ】以外、すべて我が師」の意識を持って、大いに自己練磨をはかりたいものです。


今日の心がけ積極的に学びましょう  

手のひらを返す

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「手のひらを返す」とは、一瞬にして態度が豹変するさまを言います。

 部下や目下の人に対しては横柄【おうへい】なくせに、上司や目上の人が現れると途端【とたん】に腰が低くなって、愛想笑いさえ見せたりするなどは、まさにその典型【てんけい】でしょう。

 お客様に対する店の対応にも同様のことが言えます。お客様が商品やサービスを「買った」「買わない」によって、手のひらを返すような店員がいたならば、それを見た人は二度とその店を利用することはないと覚悟するべきでしょう。

 お客様に買っていただけなかった時の対応こそが大切です。いっそう心をこめて「ありがとうございました。またのお越しをお待ち申し上げております」と丁寧に応接されれば、お客様は次も必ず足を運んでくれるはずです。買った、買わなかったにかかわらず、そのお客様は次も「お客様」なのです。

 成功も失敗も、その時その場だけではわかりません。長いスパンで考えた時、いかに人の心をとらえて離さないかが勝負です。

 陰日向【かげひなた】のない美しい応接を、常日頃から心がけたいものです。


今日の心がけ陰日向のない仕事をしましょう  

先手必勝の仕事術

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株式会社東レ経営研究所の佐々木常夫【ささきつねお】社長が40歳の時、妻が倒れ、その後入退院を繰り返すようになりました。育児・家事・看病をこなすために、氏は毎日午後6時には退社するようにしたのです。

 朝は5時半に起床し、子供たちのお弁当を作ってからの出社、そして午後6時に退社と、限られた時間の中で成果を出すための仕事術を編み出しました。

 氏はどんな仕事も基本は「先手必勝」と言い切ります。仕事を先送りせず、その場で片付ける「現場主義」を徹底し、仕事の効率を常に上げてきました。

 会議の議事録はその日のうちに書き上げ、国内外の出張のレポートも帰りの新幹線や飛行機に乗った直後に処理するようにしているのです。

 昼食は、お店が混雑する前の11時50分には行くことで、30分の時間の節約を可能にし、残りの時間を静かなオフィスで仕事に集中するといいます。

 「先手必勝」「先んずれば人を制す」と言われる通り、一足早い行動は成功の第一歩です。早く始め、サッと終える習慣を身に付けていきましょう。


今日の心がけ先手で行動しましょう  

毎日がスタート

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衣料品販売の会社で企画を担当して5年になるO氏。近頃、仕事をしていく上で、途中で失敗することが多くありました。疲れがたまると投げやりに仕事をしてしまう自分に、<やっぱり自分はダメだ>と自己嫌悪【じこけんお】に陥る毎日でした。

 そのような日々が続く中で、<自分は物事を最後までやり遂げる気力が欠けているんだ>と反省し、何とかこの状態から抜け出したいと思っていました。

 そのようなO氏の様子を心配していた上司は「今日がダメだったのならば、また明日から始めればいい。毎日がスタートだよ」と声をかけてくれました。この上司の一言で、これまでのやり切れない思いが晴れていったのです。

 上司から受けた一言を境に、O氏は「ダメだと決めつけてしまう自分」から決別しようと奮【ふる】い立ち、仕事に向かうようになりました。

 「毎朝が再スタート」と思えるようになってから、気持ちに余裕が生まれ、今までにはない集中力がつき、笑顔で仕事に取り組めるようにもなりました。

 気持ちをうまく切り替えながら、日々の業務にあたっていきたいものです。


今日の心がけ日々気持ちを新たにしましょう  

病院での出来事

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Aさんが小学校一年生の娘を近所の整形外科に連れて行った時のことです。待合室には、中学生くらいの少年が一人いました。

 診察が始まり、院長が患者を呼び出します。「Bさん」という呼び声に、その少年は返事もせずに診察室に入っていきました。

 すると、院長は「名前を呼ばれたら返事をしましょう。はい、やり直し!」と言いました。院長がもう一度呼ぶと、少年は「ハイ・・・」と細々とした返事をして入っていったのです。

 次にAさんの娘が名前を呼ばれました。Aさんは<うちの娘は大丈夫かな>と心配しましたが、「ハイッ!」と元気な声で返事をして入ることができ、ホッとしたのでした。

 名前を呼ばれたら返事をすることは、社会における第一のマナーです。返事には、「あなたに合わせます」という意味が含まれているのです。

 職場人【しょくばじん】として、明るく元気な返事を意識したいものです。


今日の心がけ元気に返事をしましょう  

同じ釜の飯

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「同じ釜の飯を食う」という表現があるように、職場において個人的な損得勘定を超え、チームを基本に仕事をこなしていく「協働力」や「組織力」といった連帯感が、これまで日本企業の強みと言われてきました。

 しかし、最近の職場は、成果主義が先行し、こうした連帯感が失われつつあるようです。誰もが他人【ひと】に関心を持たず、黙々と自分の仕事をこなし、困った人がいても、救いの手を差し延べようとしない人が増えているのです。

 そのような環境で働く多くの人たちは、精神的・肉体的ストレスを溜【た】め込みながら、暗い表情で仕事に取り組んでいることが多いといいます。

 世界6ヵ国に本社・支社を持つA社の採用条件は、「他国の社員と協力して仕事ができること」です。6ヵ国それぞれの従業員全員で社員旅行や会議を年に数回実施することで、組織力強化を図る工夫がなされています。

 <嬉しい> <苦しい>などの感情を率直に周囲に伝えられる職場環境を形成し、自己の仕事力を存分に発揮していきましょう。


今日の心がけ仲間意識を高めましょう  

病気はメッセージ

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M氏は前日の外食が影響したのか、朝起きるとお腹をこわしていました。その日は、おかしいなと思いながらも乗り切れましたが、翌日の朝には唇【くちびる】に蕁麻疹【じんましん】を発症。飲食をするのも厳しい症状でした。 

 会社で重要な会議があるため、病院は後回しにして出勤しました。しばらくすると蕁麻疹は背中にも広がり、胸からわき腹、両足へと広がっていきました。

 本来ならば<あの店が悪い>と責め心を持つところでしょう。しかし、「病気は生活改善のメッセージ」と学んでいたM氏は、<これは自分の心の現われだ>と反省の心を持ち、思い当たるふしを探っていきました。

 外食をした日、取引先との商談がありました。スムーズに商談を決め切れない取引先に苛立【いらだ】ちを感じていたのです。この責め心が相手に不快な思いをさせ、それを痒【かゆ】みによって教えられたのだと実感したといいます。

 その後、商談が結実したと同時に蕁麻疹も消え、健康を取り戻したMさんでした。私たちも責め心を捨て、謙虚な姿勢で人と接していきましょう。


今日の心がけ謙虚な姿勢で人と接しましょう  

仕事にプラスワン

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主婦のKさんは、自宅近くのスーパーマーケットで、パートタイマーとして勤務するようになり、レジを担当しています。

 結婚するまで、あるレストランでレジの経験があったことから、お客様を待たせずにスピーディーに処理できる自信がありました。

 ところが、勤務して半年が過ぎたころから、何か心に満たされないものを感じるようになったのです。Kさんは、仕事のスピードを重視しすぎたために、お客様とのコミュニケーションが不足していたことに気づきました。

 Kさんはレジ処理のスピードにプラスして、次のことも心がけました。
1「いらっしゃいませ!」の挨拶は、お客様の目を見て元気よく。
2おつりやレシートを渡す時は、左手を添えて右手で渡し「ありがとうございました」と会釈【えしゃく】する。

 こうしたKさんの変化は他の従業員にも波及【はきゅう】し、来客数は常に増加傾向にあるといいます。Kさんは「仕事にはプラスワンの工夫が大事であることを知りました」と喜びいっぱいで仕事に励んでいます。


今日の心がけもう一工夫を心がけましょう  

心の向けどころ

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 ドイツの思想家で大学教授としても活躍したイマヌエル,カントは、生まれつき病弱な体質でした。喘息【ぜんそく】もあり、いつも苦しげに喘【あえ】いでいました。

 カントが17歳の時、父親は病弱な我が子を町に来た巡回医師に診せました。カントは診てもらっても無駄だと覚悟をしていましたが、医師は「体はなるほど気の毒だ。だがあなたの心はどうでもないだろう」と言いました。

 さらに、「苦しい辛いと言ったところで治るものじゃない。体はともかく、生きているのは丈夫な心のお陰なんだから、それを喜びと感謝に変えて言ってみたらどうだね」と思いもよらない言葉をかけられたのです。

 カントは考え、<いままで、喜んだことも感謝したことも一遍【いっぺん】もない。それを言えというんだから、言ってみよう>と、喜びと感謝をし始めたのです。そして、生きることへの喜びが感じられるようになったのです。

 たとえ体が病弱でも心が康【やす】らかであれば、人は健【すこ】やかになるのです。人生の明暗は、自分自身の心の向けどころによって、変えることができるのです。


今日の心がけよい方向に心を向けます。

心の記録

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 Uさんは休暇【きゅうか】を利用して、家の大掃除をしました。押入れの奥にしまってあった、ホコリだらけのダンボールを十数年ぶりに開いてみると、学生時代に買ったCDや雑貨が入っていました。

 それらの品々を手に取りながら、当時の思い出を懐かしく振り返っていると、中学時代の文集が出てきました。そこには、「今、最高! 明日はもっと最高!必ず良いことがあるから」と、Uさんが書き記した文字がありました。

 思いがけず目に飛び込んできた自身の言葉は、夢や希望に満ち溢れています。久しぶりに心が熱くなったUさんは、ここ最近を振り返ってみました。すると、家庭や職場内で、消極的な振る舞いや後ろ向きな発言ばかりしていたようでした。

 Uさんはこの日を境に、明るく、前向きな言葉と態度をとることを心がけるようになりました。

 私たちは過去に、「未来へ向けてのメッセージ」を多く発しています。過去,現在,未来を繋【つな】ぐ言葉を形として残し、心の記録を忘れずにいたいものです。 


今日の心がけ◆心の記録を今に活かします。

行列のできる弁当屋

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 Fさんが、昼食を買う弁当屋は、味や品揃えの豊富さに加え、明るく真心のこもった接客が評判で、昼食時には行列ができます。

 Fさんは、いつもの通りお弁当を注文して列に並び、お金を払おうとしました。ところが、財布の中にお金が入っていなかったのです。

 馴染みの店員は、すかさず大きな声で「三百八十円お預かりします」と言った後、ささやくように耳元で「明日、一緒に払って頂ければ結構ですので・・・」と笑顔で対応し、Fさんがお金を忘れたことをわからないように配慮してくれました。

 お客様に恥をかかせないよう咄嗟【とっさ】に機転を働かせてくれたこの店員に、<常日頃からお客様を第一に考えて働いているからこそできるんだ>とFさんは深く感動したのです。

 「お客様のために」という信念があれば、真心のサービスは自然と態度に現われるものです。お客様を喜ばせることが自社の繁栄につながることを理解して、真心からの対応に磨きをかけていきましょう。


今日の心がけお客様本位の対応をします。

主役として

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 私たちは与えられた仕事に対して、感謝を持って取り組んでいるでしょうか。仕事をしながら「なんで、こんなことを・・・」と思いながら、ただこなすだけの日々を送る人も少なくはないでしょう。

S子さんは大手劇団で衣装製作を担当しています。演劇と言えば華やかなステージに目が行きがちですが、照明や大道具などの裏方【うらかた】に徹する人たちもいます。

S子さんはある日、父親から「お前は役者として舞台に上がったことがないが、裏方なんかで楽しく仕事ができているのか」と問われました。

S子さんは、「裏方も劇を進める大事なキャストの一人よ」と答えました。後日、父親は黙々と夜中に衣装直しをする娘の姿が眩【まぶ】しかったといいます。

職場には、さまざまな部門があります。表舞台も裏舞台も、その場所に違いはありますが、それぞれの仕事に全力投球することで、私たちも職場の主役となれるのです。

与えられた仕事に感謝し、使命感を持って主役を演じ続けましょう。


今日の心がけ与えられた仕事で主役になります。

子供の頃の夢

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 子供の頃、大人になったらなりたいと思っていた仕事が、実現しているという人は少ないかもしれません。

 第一生命保険は1989年から毎年、「大人になったらなりたいもの」というアンケート調査を実施しています。男子は5年連続で野球選手が1位に挙げられており、女子は12年連続で食べ物屋さんが1位にあげられています。

 2008年の調査では、北京オリンピックでの北島康介【きたじまこうすけ】選手ら競泳陣の活躍の影響で、男子の7位には水泳選手が初のトップテン入りを果たしました。

 子供の夢も、根強い人気を誇る職業と、時代の影響を受けて移り変わっていくものとがあるようです。

 子供の頃の夢や憧れの人物は、大人になっても心の奥深くで生き続け、自己の理想像となり、生きる原動力となるものです。

 大人である私たちが、日々イキイキと働き、子供たちに憧れや尊敬を持たれる存在になれるよう精進していきたいものです。


今日の心がけ夢を持ち続けます。

着地点

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 Mさんは3年前よりマラソンを始めました。年に何度か大きな大会に参加しますが、今年は近県で開催されたハーフマラソンに参加しました。

 目標は1キロ5分後半のペースで走り、最終的に2時間を切ることです。参加者が8000人もいたため、スタート時はゆっくりと進んでいました。

 間もなく、周囲のランナーのペースが徐々に上がっていきました。1キロ通過時のタイムを計測すると、目標より2分近くも早い、一キロ4分ペースです。

 「このまま行けばすごいタイムだ」とワクワクしましたが、オーバーペースで走った結果、ゴール寸前で足が痙攣【けいれん】してしまった昨年の苦い経験を思い出しました。

 そこで予定の配分どおり1キロ5分ペースに落とし、目標のタイムでゴールすることに集中しました。後続に抜かれる悔しさはありましたが、結果は1時間55分でした。

 仕事においても、ゴールのイメージは大切です。長期戦では着地点を明確にし、目先の結果にとらわれず、不動の心で進むことが大切だと思ったMさんです。


今日の心がけ着地点を明確にします。

苦手への対応

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 営業担当のSさんは、数日後に取引先のT社長と交渉することになっていました。しかし、T社長に対して以前から苦手意識を感じていたため「どのようにしたら交渉が上手くいくか教えてほしい」と信頼する先輩に相談をしました。

 先輩は、「誰にでも相性の良し悪しはあるものだよ。でも相性の悪さを相手のせいにしている限り、互いの関係はよくならない。原因は自分にあるということをまずは考えてみることだよ」とアドバイスしてくれました。

 さらに、「自分の非を反省し、これまで形はどうあれば関係が続いてきたことに感謝しつつ、相手への好意を唱えてから交渉してごらん」とも言われました。

 Sさんは先輩からのアドバイスを実行して、交渉に当たりました。すると、T社長はいつになく温厚で、商談をスムーズに進行させることができたのです。

 他者との関係が悪化した時、原因を相手に求めている限り、相互の関係は進展しません。他者を尊重して、<自分にも非がある>と受けとめて自己を切り替えることで、関係は良好なものになっていくのです。


今日の心がけ苦手を自分の問題と捉えます。

お辞儀の心

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お辞儀の心

 中国四川省【シセン】のイトーヨーカ堂,成都【チョンドゥー】店では、毎朝、店頭に行列ができます。

 「日本のノウハウで成功は確実」と期待され1997年に出店しましたが、オープン当初は、知名度の低さで厳しかったと総経理の三枝富博【さえぐさとみひろ】氏は言います。

 例えば深々としたお辞儀をはじめとする日本流の顧客サービスの導入は、中国人社員には受け入れられませんでした。

 文化の違いから「売ってやる」という意識が強く、氏が見ていないとお辞儀をしない社員が多くいたため、氏は社員と一緒にお客様にお辞儀をし始めました。

 社員との距離が縮まった実感した5年目のこと、社員のお辞儀が自然になり、売り場では改善提案も出始めました。その成果によって、昨年の四川大地震【シセンおおじしん】の時も、地震発生の翌日に社員一丸で営業ができるほどに成長したのです。

 現在では、年間来客数が地域トップとなり、三枝氏は昨年の中国「流通業界の功労者30人」にも選ばれました。10年以上単身赴任の氏が<社員も家族>との思いで接した結果、心を開かせることができたのです。


今日の心がけ◆熱意をもって事にあたります。

お客様の引越し

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美容師のA子さんは、毛染め作業中、お客様のブラウスを汚してしまいました。

 丁重【ていちょう】にお詫【わ】びした後、ブラウスのクリーニング代を支払うことを申し出ると、顔馴染みのお客様は穏【おだ】やかに了承して、その場は終わりました。後日、「洗濯したら汚れは落ちたので、あの件は結構ですよ」と電話が入りました。

 「それでは私どもの気が済みません」と申し入れ、店長とA子さんは顧客リストの住所を頼りにお宅を訪問したのですが、表札には別の苗字が書かれています。

 A子さんは、店長に「お客様のお子さんが転校したという話を聞き流していました」と報告しました。すると、店長は「今回は、それが勉強だったね。これからはお客様の話の筋,情報をしっかりと聞くことだね」と指導されたのです。

 その後、お客様の携帯電話に連絡することができ、引越し先の住所を確認して、店長とともに無事にお詫びに伺うことができたのでした。

 今ではお客様の話を聞く時、「変化を感じたら確認する。必要に応じて記録をとり、店長に報告する」ことを心がけ、日々の業務に取り組むA子さんです。


今日の心がけ会話の中の情報を大切にしましょう  

行きつけの店

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営業部門で働く新人のKさんが、行きつけのカレー店で食事をしていた時のことです。食事を終えて「ごちそうさま」と席を立った隣のお客さんに、「ありがとうございました!」と大きな声で返事をしてしまいました。

 我に返ったKさんは、穴にでも入りたい気持ちになりましたが、一方で、そのようなとっさの反応をした自分に、驚きを隠せませんでした。

 「挨拶上手になるには、自分を褒めることだ。挨拶をした後に『よく言ったK』と唱えてみなさい」と上司にアドバイスを受け、Kさんは常に実行してきました。

 二週間を過ぎた頃、挨拶の言葉一つひとつに情感がこもり、自己を褒めることで、自分が好きになっていきました。それと同時に、他人を思いやる気持ちが豊かになり、心のこもった張りのある声で挨拶ができるようになりました。

 カレー屋での一件は、そのような変化を自覚した矢先の出来事でした。

 私たちも時には、自己の努力や頑張りを自ら褒めて、他人に優しさや温かさを届けたいものです。


今日の心がけ自分を褒めましょう

会議ダイエット

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 会議をするものの何も残らないまま時間が経過し、残業に至ってしまう職場が増えています。国際労働機関の調査によると、日本の長時間労働者の割合は欧米よりも10%多い29%という報告があり、労働時間の見直しが迫られています。

 大阪のパナソニック電工では、労働時間を短縮し仕事と生活の調和をはかるための「シゴトダイエット」の一環として、会議時間の短縮に取り組んでいます。

 同社は会議の時間を短縮する工夫を昨年度から実行したことによって、一人あたりの1ヵ月の労働時間を一時間短縮することに成功しました。

 会議を実施する際には、1 開始時に目的を宣言する、2 予定時間を守る、などを徹底しています。

 会議を有益に活用すると同時に、短縮できた時間を「勉強などの自己投資」「新たな創造的仕事」に割り振るなどして、有効活用させているといいます。

 限りある時間を無駄に使っていないかを再確認し、家庭や趣味など仕事以外に取り組むことのできるゆとりを見いだしていきたいものです。


今日の心がけ◆時間を有効に活用しましょう
  

終わりを美しく

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入社2年目のTさんは、朝が弱く、いつも時間ギリギリに出勤していました。

 同僚から指摘を受けることも度々【たびたび】あり、Tさん自身も気をつけて、夜更かしせず、飲酒も過ぎないようにしていましたが、いっこうに変わりません。

 上司に相談すると、「部屋の後始末はできているのか」と問われ、Tさんはハッとしました。机には読みかけの雑誌が開きっ放し、部屋のあちこちにはゴミが散らばっており、とても乱れた部屋で生活をしていたのです。

 それからは、就寝前に必ず部屋の片づけを行ない、整理整頓ができた状態で床につくよう努めました。後始末をし、しまりのある生活を積み重ねることで、生活にリズムが生まれるようになり、寝坊を克服することができたのです。

 「今では、目覚ましがなくても、起きたい時間に自然と目が覚めるようになり、何より仕事がはかどるようになった」とTさんは語ります。

 一日の終わりを美しく、ケジメのある生活で自らを律し、仕事に臨んでいきたいものです。


今日の心がけ生活にケジメをつけましょう  

ソロバンの日

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今日は8月8日、パチパチと玉をはじく音にかけて、「ソロバンの日」とされています。算盤【そろばん】は室町時代に中国から伝えられましたが、日本で独自の発達を遂げ、電卓,パソコンが登場するまでは事務的業務の中心的存在でした。

 一旦【いったん】は主役の座を降【お】りた算盤ですが、学校や職場において、基礎的な計算能力が重視されるようになったこともあり、幼少期に右脳を鍛える最良の教具として、見直されつつあります。

 国際的にメートル法(十進法)が使用される中、高速で計算できるようにした日本の算盤の「よつだま」の工夫が、世界的な普及にもつながっています。

 日本では小学校低学年で九×九の一桁の段まで掛け算を暗記しますが、インドでは99×99と二桁【ふたけた】の段まで暗記し、暗算能力を高めます。計算をすべてパソコン任【まか】せにしていては、暗算能力を低めてしまいます。

 身の周りにある伝統文化を活用し、次代【じだい】に引き継ぐことができる私たちでありたいものです。


今日の心がけ伝統文化を守りましょう  

行動で示す

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M氏は部署内の異動【いどう】により、若手のS君に業務を引き渡す運びとなりました。

 お客様や電話の応対、事務処理などをM氏は言葉で伝えますが、S君はなかなか理解できない様子です。同じ説明を2度3度繰り返すことも度重【たびかさ】なりました。

 引継ぎをスムーズに進めるにはどうしたらよいかと考えた結果、M氏はその業務を、実際にやって見せることにしました。言葉と動作で伝えたことを、そのとおりにS君が真似します。すると、引継ぎがうまくいくようになりました。

 自分が動きながら教えたことで、一年間行なってきた業務を再確認することができたM氏。その上、口頭だけでは伝えきれないこと、曖昧【あいまい】にしていた業務にも、あらためて気づくことができたのです。

 この良い流れを活かそうと考えたM氏は、S君の意見も取り入れながら、無駄に時間を使っていた作業など、不十分と思われる箇所【かしょ】を改善していきました。

 相手に伝わりやすくする工夫が、自分に返ってきたM氏。<学んだのは自分のほうだったな>と肌で実感したようです。


今日の心がけ◆自分自身でやってみましょう
  

人生を変えた言葉

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「キビシーッ!」「○○してチョウダイ!」というギャグで、1960年代に一世を風靡【ふうび】した俳優、コメディアン、そして歌手の財津一郎【ざいついちろう】氏。75歳になった現在も第一線で活躍する秘訣【ひけつ】は、少年時代の恩師の言葉にあったといいます。

 家が地主で裕福に育った氏は、戦後、農地改革で土地を取り上げられ、上下関係がなくなったことで陰湿【いんしつ】ないじめを受け、根暗【ねくら】な性格になってしまいました。

 そのような姿を見かねた農学校の先生が、校庭の農業実習用の麦畑に氏を誘いました。氏と共に麦踏みをしながら、先生は次のようなエールを送りました。

 「いじめる者には何の実りもない。しかし君は、この麦と同じく、這【は】い上がり、立派な実をつける。今は、君の勝負の時機ではない。近い将来が勝負だ。そのために、財津君、ネアカになれ」

 このエールが、氏の人生を変え、ネアカ人生の始まりとなりました。現在も「ネアカに生きることこそ我が人生」と恩師の言葉が座右の銘となっています。

 私たちも明るいプラスの言葉で、周囲の人を勇気づけたいものです。


今日の心がけ◆元気の出る言葉をかけましょう
  

速達

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毎年夏になると、B子さんは夫と息子の三人で、森林豊かな避暑地へ旅行します。宿泊先はRホテルと決めて、毎回利用しています。その理由は環境や設備のよさだけでなく、いつ訪れても、従業員の対応がとても爽【さわ】やかだからです。

 今年は時期を早めて、ゴールデンウイーク明けの週末に訪れ、変わりのないテキパキとした接客に、心地よく過ごせたB子さん一家でした。

 しかし残念な出来事が2つ起きました。息子が楽しみにしていたプールが使用できなかったことと、宿泊した部屋の洗面所の汚れでした。鏡の下に緑色の汚れを見つけたB子さんが布で拭いましたが、なかなか落ちないものだったのです。

 B子さんはメッセージカードに、「大型休暇以外でもプールを利用できるようにしてほしい」「清掃の徹底をお願いします」と書き残し、ホテルを後にしました。すると翌日、Rホテルの支配人より、速達で直筆【じきひつ】のお詫び状が届いたのです。

 真心あふれる謝罪の言葉に心を打たれたB子さん。プールが利用できなかった事情も知りました。素早い対応に、かえって清々【すがすが】しい気持ちになったのです。


今日の心がけ◆素早い対応をしましょう
  

一円玉も大切に

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買い物をする際、わずか数円が足りないため、支払いができずに困った、という経験を持つ人は少なくないでしょう。

 こうした時は一円のありがたさを痛感しますが、普段は一円玉をはじめとして五円、十円などの硬貨を粗末に扱っていることがよくあります。

 机の引き出しの中、自家用車内の小物入れ、バッグの中などに、硬貨が眠っていることはないでしょうか。

 徳のある人のもとに良い人材が集まるように、お金というものは、大切に扱い生かして使ってくれる人の所に集まってきます。

 逆に、一円でも粗末に扱うような生活をしていると、お金は自分の手元から離れて行ってしまいます。

 お金は金額の大小にかかわらず、大事なものです。お札はシワを伸ばして財布にしまう、硬貨は時には磨いてみるなどしてみてはいかがでしょう。

 大切な人に接するような細やかな愛情を持って、お金に接したいものです。


今日の心がけ◆お金を大切に扱いましょう
  

いざという時の備え

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仕事での緊急事態に慌てないためにも、常日頃【つねひごろ】の備えは大事です。

 <誰が、何を、いつ、どこで、どうして、どのように、いくらで>という※5W2Hで、具体的な行動にすぐ移れるような計画を整えておくとよいでしょう。

 それには、自分の日常の業務を、正確に把握していることが第一です。また、その内容を書面などで上司に伝える必要もあります。

 急な事態や変化は、業務上で起こりうることです。変化により物事が活性化され、活力化されるのであり、「安定」と「変化」は一対【いっつい】のものといえるでしょう。

 私たちは慣れてしまうと、変化を恐れてしまいがちです。変化は安定を覆【くつがえ】すからです。間違いのない業務の安定感は必要ですが、変化の機会を避けていては、作業内容や自身の能力の向上は滞【とどこお】ってしまいます。

 社会のニーズは多種多様で、スピーディーな変化と向上が求められています。堅実な成長を遂げている中にも、大きな変化の時期はいつかやってきます。

 仕事をする際、新たな手法を考えていくことも必要なのです。


今日の心がけ変化への対策を万全にしましょう

向かい風

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仕事で行き詰まっていたNさんは、気分転換に家族と海へ出かけました。海に着くと、ヨットのレースが行なわれており、しばらく観戦することにしました。

 レースには、一人乗りの小型のヨットが何十隻【せき】も参加しています。そして、風の力だけでさっそうと波を切りながら、静かに力強く走っていました。

 その時、Nさんに疑問が湧【わ】いてきました。ヨットはセイル(帆【ほ】)に風を受けて前に進んでいきますが、向かい風の時は進まないと思ったのです。

 ところが、向かい風でもヨットは進んでいるのです。Nさんはレースの関係者に質問をしてみました。すると、ヨットは向かい風に対して、斜め45度でジグザグに進んでいくというのです。

 逆風を利用して、前に進むことができると聞いたNさんは、いたく感動しました。そして、自身の現状を切り拓き、心新たに前進しようと思いました。

 人生には追い風もあれば向かい風の時もあります。その風をどう読み、どのように努力するかで人は進歩していくのです。


今日の心がけ逆境に負けず進みましょう

ドライバーへの心配り

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今年4月下旬より、高速道路が格安で通行できる制度が始まりました。「休日のみ」「ETC搭載の普通車以下」「適用される基本ルートの制限」など、対象制限はありますが、高速道路の利用者が急増し、これまでにない混雑が見られます。

 そのような状況で車を運転する人は、充分な注意が必要です。また同乗する人も、運転手への配慮を忘れないようにしましょう。

 インターネット調査会社マクロミルが、「運転者が嫌な思いをした同乗者の行動」について調査しました。上位を占めたのは、「渋滞で機嫌が悪くなる」「車内を汚す」「運転の仕方を指図される」「運転手を残して眠る」でした。

 うれしかった行動は、「食べ物や飲み物を渡す」「話しかけてくれる」「運転の疲れを気遣う」です。お互いの思いやりが、ドライブを快適なものにします。

 職場など公の場では周囲に心配りができても、家族や友人に対してはつい甘えが出てしまうものです。「親しき仲にも礼儀あり」といいます。身近な人にこそ、気配りをしたいものです。


今日の心がけ◆身近な人にも気配りをしましょう
  

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